朝採りで新鮮さを維持

 鮮やかな緑色で食卓に彩りを加えてくれるブロッコリー。食べる部分に当たるのは「花蕾(からい)」と呼ばれます。作型は春と秋の年2回。秋型は今月から本格的な収穫シーズンに入り、まさに今、“旬”を迎えています。

 JAはが野は2006年にブロッコリー部会が誕生した、新しい産地です。同JA営農経済部の君島潤一(きみじまじゅんいち)主任によると、コメやナスといった基幹作物を補う新規作物として、02年に同JA管内で導入されました。当初はたった2人、20アールからのスタートでした。

 徐々に生産者も増え、現在は約45人が部会に所属。07年秋産は部会全体で503アール、08年春産は520アールを作付けました。現在、栽培されている品種は早生の「ピクセル」と晩生の「グランドーム」の2種類だそうです。

 ■ 土づくりが大切 ■

 収穫期を迎えている秋型は7月中旬から8月にかけて、種を育苗トレーに順にまきます。8月のお盆ごろから畑に定植。10月から12月まで収穫が続きます。

 「大切なのは土づくりや普段の管理」と語るのは、同JAブロッコリー部会長の生井公夫(なまいきみお)さん(茂木町生井)。複合経営の1つの柱として、5年ほど前からブロッコリー栽培をスタート。今年は春型30アール、秋型50アールで取り組んでいます。

 土中に有機質の堆肥(たいひ)や化成肥料を入れ、しっかりと土作り。定植後も生育状況や周囲の雑草、虫などをこまめにチェック。状況に応じて、追肥や中耕、防除を行います。「雨が多いと光合成ができず、生育が悪くなり、根腐れを起こすこともあります。台風や低温、雨など気象条件ばかりはどうにもならないので、人間ができることをきちんとやる。普段の心がけです」と強調します。

 ブロッコリーにとってもう一つ大切なのが、新鮮さです。「時間がたって、黄色くなったり、花が咲くと商品価値が下がる」と君島さん。朝取りを基本に、高温期は集荷後、真空予冷を行い、鮮度保持に努めます。

 収穫作業は夜も明けない午前3時ごろから。生井さんは「ヘッドライトをつけての収穫。もっと寒くなると、霜で手が凍るんです」と、大変な作業を振り返ります。

 ■ ブランド化へ一丸 ■

 部会発足から3年目。栽培面積が10アール以下の生産者も多く、将来の産地発展に向け、新規栽培者の確保、省力化による栽培面積の拡大(1戸当たり30アール以上)、栽培技術の高位平準化による品質向上と販売数量拡大、安定した所得確保を図り、ブランド化に向け一丸となって取り組んでいます。

 生井さんは「まだまだ成長途中。後発の産地として、独自性、付加価値を見いだし、市場や消費者から信頼される産地になりたいですね」と意欲を燃やしています。

【安心安全の取り組み】 JAはが野ブロッコリー部会は、栽培日誌の記帳や点検、残留農薬分析、土壌分析などを実施。有機質肥料を積極的に使用して化学肥料の低減を図り、環境にやさしい栽培を心がける。虫の発生状況に応じ、薬剤散布は最低限にとどめる。

 [写真説明 1]ブロッコリーは収穫後、周囲の茎を切り落とし、形を整えていく=茂木町の岩崎孝平さん宅

 [写真説明 2]数十センチもの大きな葉に守られるように育つブロッコリーの花蕾

◇◆◇ 雑学辞典 ◇◆◇ ブロッコリー編

  • 由来 地中海沿岸原産のアブラナ科。イタリア語の「芽、茎(Brocco)」からきている。日本には明治の初め、カリフラワーとともに渡来。戦後、本格的な栽培が始まった。緑黄色野菜の効能が注目されるようになり、普及したのは1970年代からという。

  • 選び方と保存方法 濃い緑色で堅く締まり、中央部分の山が、こんもりと盛り上がっているもの。花の咲いているものは選ばない。常温に置くと、すぐに花が開くので、取り置く場合は切り分けて固ゆでし、密閉容器に入れて冷蔵庫で保存するとよい。

  • 仲間 ブロッコリーはキャベツの仲間で、カリフラワーとは兄弟といえる関係にある。植物学的に同種と扱われるが、色や栄養成分はかなり違う。ブロッコリーは緑色以外に、黄緑、白、紫の品種もある。


 コラムオアシス JAの取り組み 地域・農業の活性化目指す

 農産物に対する消費者のニーズの多様化や「食」の安全・安心への関心が高まっている中、JA佐野では、地場産農産物のPRや、生産者と消費者の触れ合いを強めるために、消費者との交流会や各種イベントを定期的に行っています。

 交流会では、意見交換や収穫体験などのほか、「生産履歴記帳」「GAP(農業生産工程管理)」への取り組みなど、消費者の目に触れない安全・安心な栽培に対する生産者の努力を伝えるとともに、消費者からも率直な意見を伺って、今後の生産活動に生かしています。(「GAP」とは、安全・安心な農産物を生産するための作業ポイントを整理し、生産工程を管理して栽培していく手法で、環境の保全や農作業の安全にも有効な仕組みです)

 さらに、顔が見える出荷をするため、生産者の顔写真シールを農産物の袋に張り付けた出荷に早くから取り組み、消費者の食卓へ信頼を届ける活動をしています。また、それは生産者の意識改革を進め、品質の向上につながっています。

 また、地元農産物のブランド化を図り、販売先の確保と販路拡大に取り組み有利販売に努め、地域農業と経済の活性化に努めていきます。

(JA佐野代表理事組合長 君田國雄)

 ◇◆◇ 読者の声 ◇◆◇ ~8月の紙面から~

 【実り具合に驚き】茎近くに上向きにオクラが実っているのはビックリ。枝豆のように下に実が垂れ下がるようなイメージがあった。大きな葉の下に実をつけることも予想していなかった。写真で収穫風景が紹介されていてうれしかったです。(37歳、女性)

 【日本の農業応援】貴紙を拝見する度に食の安全・信頼性を深く考えさせられます。応援します、日本の農業。(68歳、女性)

【旬の農…最高】「JAプラザ」は毎回楽しく読んでいます。安全安心な食を求めて消費者はJAを信頼しています。育ててくれた栃木の旬の農をいただく…最高ですね。(50歳、男性)

 【夕食には必ず】(レシピは)わが家に好評で、その日の夕食には必ず出てきます。作りやすさが良いですね。(63歳、女性)