
県は3日、電気・通信・ガス事業者4社と「災害時における相互協力に関する基本協定」を締結した。災害時のライフラインの早期復旧に向け、平時から連絡体制を確立し、災害時の情報連携や相互協力を行う。都道府県とライフライン事業者が一体的に協定を締結するのは全国初。
協定を結んだのは、東京電力パワーグリッド栃木総支社、NTT東日本栃木支店、NTTドコモ栃木支店、東京ガス宇都宮支社。昨年9月に千葉県を直撃した台風15号で大規模な停電が発生した際、東京電力が現場への通行や作業員の宿泊施設確保に苦労した教訓から調整を進めてきた。
今後は復旧作業時の駐車場や宿泊施設といった拠点の確保を議論していくほか、優先的に復旧する必要がある避難所の開設状況や道路寸断情報などの共有、それぞれが所有する施設の提供なども検討していく。
県庁で行われた締結式で福田富一(ふくだとみかず)知事は「災害からの迅速な復旧に大きく寄与するもので大変心強い」と述べた。東京電力パワーグリッド栃木総支社の金子史彦(かねこふみひこ)総支社長は「締結はゴールではなく新たなスタートと肝に銘じ、一層の連携強化に努めていく」と話した。
2020年07月04日(土) 下野新聞朝刊