SNS画面の向こう側で、男たちのゆがんだ欲望と少女たちの孤独が交錯している。

1月、東京都渋谷区(本文と写真は関係ありません)

 「駆け込み寺」。北関東に住む30代男性は自らをそう呼ぶ。「困ったことがあるなら言って」。会員制交流サイト(SNS)で少女らに声を掛け、家出先として自宅を提供する。複数人の少女らと寝食を共にすることもある。

 システムエンジニアで在宅勤務。学歴も収入も高いが、恋愛や女性との付き合いは得意ではない。性欲はあっても「前戯しないといけないから、セックス自体、面倒くさい」という“草食系”だ。

 顔面偏差値の低い自分でも、わらをもつかむ思いの少女なら、優しい言葉を掛けるだけで相手にしてもらえる。本来なら手の届くはずがない、かわいい少女にも-。

 内閣府が2014年に実施した「結婚・家族形成に関する調査」。交際相手がいない20~30代男性の4割が「自分は魅力がないのではないかと思う」との不安を吐露した。

 ネットを介した性犯罪の実態に詳しい栃木市在住のノンフィクションライター清水芽々(しみずめめ)さん(54)は「非モテの男が、若い子とつながれる場はSNSしかない」と言い切る。「女の子を人形のようにして寂しさを埋めたいだけ。絶対に、美談ではない」

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 居場所を求めてSNS上をさまよう「家出少女」を、いかに手玉に取るか。ネット上には、その手口を紹介するサイトも存在する。「神待ち少女をゲットするこつ」などと掲げ、安心させる声掛けから、自宅に連れて性行為に持ち込むまでのアドバイスを緻密に記載している。

 「ガチなのが釣れた」「コンビニで買い物したくらいの出費でエッチできた」-。真偽は定かではないが、投稿された体験談は、まるでゲームを攻略したかのように、どこか得意げだ。

 家出少女との同居を楽しむシミュレーションゲームやアダルト動画まである。

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 大阪市の小学6年女児誘拐事件で昨年11月に逮捕された小山市在住の男(35)は、女児と一緒にいた女子中学生(15)の裸を撮影したとして児童買春・ポルノ禁止法違反の疑いで再逮捕されている。

 「ツイッターでつながり、被害者が日常生活で満たされず、若い女性や子どもらが年上の男から誘われた」

 兵庫県立大の竹内和雄(たけうちかずお)准教授は小山の事件などにみられる特徴をこう指摘し、同じ構図として神奈川県座間市の9人殺害事件を挙げる。

 17年秋、同市のアパートで男女9人の遺体が見つかり、社会を震撼(しんかん)させた事件。逮捕された27歳(当時)の男が狙ったとされるのは、自殺願望のある少女たちだ。

 那須町出身のジャーナリスト渋井哲也(しぶいてつや)さん(50)は、この男とSNSでやりとりしていた女性を取材している。女性は17歳の時にSNSで知り合った別の男に暴行され、自殺願望を抱くようになっていた。

 「私なんてどうなってもいい」。追い詰められた少女たちにとって、話を聞いてくれる“神”がどこの誰で、どんな人かは、あまり関係がないことだという。

 渋井さんは、耳を傾けてきた多くの少女たちの叫びを代弁する。「子どもたちにとっては、比較の問題なんです。親の理不尽さと、家出した先の理不尽さ、どちらがましなのか」

(子どもとSNS取材班)