子どもたちの間でSNSを介した出会いは身近になっている。

(本文と写真は関係ありません)

 「実は私たち、モンスターハンターというゲームで知り合ったんです」。宇都宮市のホテル東日本宇都宮。披露宴の打ち合わせに訪れた20代のカップルが担当者に打ち明けた。

 モンスターを倒すオンラインのアクションゲーム。2人は、一緒になって敵に立ち向かう“共同作業”で、互いを知り、信頼感を育んだらしい。

 同ホテルの堀江雅之(ほりえまさゆき)婚礼支配人(40)は「出会いのきっかけが会員制交流サイト(SNS)やゲームだったというケースは、ここ半年で目立つようになった」と時代の変化を肌で感じている。

 式では、世間体を優先して「共通の趣味で知り合った」とオブラートに包む場合がある一方、堂々となれ初めを紹介するカップルもいるという。

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 宇都宮市内の県立高に通う女子生徒(18)も、同じ高校の男子生徒と交際するきっかけになったのは、写真共有アプリの「インスタグラム(インスタ)」。

 「この服かわいい」。洋服の写真を載せた投稿に、「めっちゃわかる」と、男子生徒からダイレクトメッセージが届いたのが始まりだった。

 校内で直接話したことはなかったが、好きなファッションや趣味などのやりとりを経て、2カ月後、同市内のショッピングモールでデート。

 「彼はイケメンで校内でも目立つ存在だったし、私なんかがリアルで話しかけるなんて無理。インスタがなかったら、絶対に付き合えなかった」

 県北の県立高に通う女子生徒(17)は「会ったことはないけれど、インスタでつながっているのは700人くらいかな」。そうした“トモダチ”と偶然、通学電車で鉢合わせし、「インスタの!」と話が弾むこともある。

 春から通う大学や高校の名称をSNSに打ち込んで入学前に事前に新しいトモダチを見つけるケースも珍しくない。

 対面で話すことに抵抗があったり、自分に自信が無かったりする子どももSNSなら気軽にトモダチとつながれる。生まれた頃からスマートフォンやSNSがある環境で育ってきた子どもたちにとって、指先から始まる出会いは当たり前になりつつある。

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 県総合教育センターが2013年度に行った「情報モラルの育成」調査。SNS上に知り合いがいると答えた児童生徒を対象に実際に会った経験の有無を聞いたところ、高校2年生の35%、中学2年生は30%、小学5年生でも27%が「会ったことがある」と答えた。

 一方、保護者が「わが子はSNS上の知り合いと会ったことがあると思う」と答えた割合は、いずれも児童生徒の回答より10~25%低い。子どもの実態と保護者の認識のずれが浮き彫りになった。

 同市、会社員男性(52)も小学4年の娘から聞いた話に仰天したことがある。娘の同級生にはオンラインゲームで知り合った「岐阜県在住の6年生」の彼氏がいて、20歳になったら会う約束を交わしているそうだ。

 ネット犯罪に詳しい那須町出身のジャーナリスト渋井哲也(しぶいてつや)さん(50)は「(SNSで知り合った人と会うことを)今の子どもたちは怖いとは思っていない」とした上で指摘する。「今後、スマホやネットへの傾倒は加速していく。必要とされるのは事件の芽が増えていくのを止める教育力だ」

(子どもとSNS取材班)