本県は、イチゴの収穫量45年連続日本一を誇る「いちご王国」です。中でも、鮮やかな赤色と食味の良さなどが特徴の「とちおとめ」は、本県のエースであるだけでなく、日本を代表する人気品種となっています。現在、県内各地で出荷がピークを迎えており、クリスマスケーキを彩るほか、年末年始の贈答用としても重宝されそうです。

 「これまでだとイチゴはだいたい10年で違う品種に代わることが多かったのですが、とちおとめは随分と息が長いよね」

 JAかみつがイチゴ部の部長を務める高橋広(たかはしひろし)さん(56)=鹿沼市奈佐原=が、しみじみとした口調で話してくれます。

▽20年近く人気衰えず

 とちおとめは、かつて県産イチゴの主力だった「女峰」の後継品種として1996年に県農業試験場で生まれました。それから既に20年近くになりますが、その人気は少しも衰えません。2012年に新品種の「スカイベリー」が登場しましたが、現時点では「期待のルーキー」にとどまり、まだエースの座を脅かすまでには至っていません。

 対して女峰は、「麗紅」に代わる品種として85年に開発されましたが、その11年後には「後継」の存在を許してしまった格好です。

 高橋さんは36年前にイチゴづくりを始め、麗紅、女峰などさまざまな品種に取り組んできた経験から「とちおとめは別格」と強く感じているそうです。「酸味がやや強かった女峰は、ケーキ向きとされていました。その点、とちおとめは酸味と甘みのバランスが良く、実の形もきれいなので、ケーキにも生食にも適しています。万能選手なんですよ」と、自慢の娘について語る父親のような表情になりました。

 イチゴ部の部員は現在134人。青年部を中心として研究熱心なメンバーが多く、さまざまな先進技術の導入にも積極的です。今年は、高橋さんをはじめメンバー約10人がダニの駆除に炭酸ガスを使う新技術を本格的に導入し、「かなりの効果」が出ているといいます。

▽新技術で生産性向上

 担当しているJAかみつが南部営農経済センター園芸特産グループ営農指導員の渡辺寿樹(わたなべひさき)さんは「今後も若い人たちを中心にさまざまな研究に取り組み、生産性の向上につなげていきたいですね」と期待しています。

 「イチゴづくりには常に勉強が必要」という高橋さんも「安心安全でおいしいイチゴを来年5月まで切れ目なく出荷できるように頑張っていきます」と言葉に力を込めていました。

◇◆◇ 雑学辞典 ◇◆◇

  • おいしいイチゴの選び方

    イチゴ選びは、「色」「艶」「香り」がポイント。ヘタが濃い緑色で、実は全体に鮮やかな紅色で艶やかなもの、香りの強いものを選ぶ。イチゴは鮮度が高いほど、良い香りがする。果肉に張りがあって粒の大きいものがおいしいとされる。ヘタがしおれていたり変色しているものは鮮度が落ちている。パック入りのイチゴは、下から状態をチェック。果汁がしみ出していたり果肉がつぶれているものは避ける。

  • イチゴのおいしい食べ方

    イチゴはヘタ側より先端の方が甘みが強いので、ヘタ側の後に先端を食べた方が甘さが強調されてよりおいしく食べられる。洗う時はヘタを付けたままザルに入れて薄い塩水で手早く洗う。

 

次代を担う/JAおやまトマト部会/
佐藤秀彦(さとうひでひこ)さん(41)/
「魅力ある農業」次世代へ

 会社員を辞めて就農したのは36歳の時です。会社勤めの傍ら実家のトマトづくりを手伝う中で、自分が手をかけた分だけ成果が上がる農業という仕事に魅力を感じるようになりました。農家の長男としての使命感もありましたね。

 私の場合、就農が遅かったので、先にスタートしている同年代の人たちに負けないように勉強しなくてはと思っています。10月まで青年部の部長を務めていました。青年部は40歳を過ぎたら卒業するのが一般的なのですが、私はもう少し後輩たちと一緒に活動していきたいと考えています。

 今年2月の雪害で、私も含めてトマト部会のハウスは大きな被害を受けました。今、みんな復興のために頑張っています。「もう農業を辞める」という部員は一人もいないし、むしろ「負けてたまるか」という闘志につながっています。

 今後は産地間の競争だけでなく、参入してくる企業との戦いにもなると思っています。それでも、子どもたちに自ら「農業をやりたい」と言ってもらえるような魅力ある仕事にしたいですね。


ようこそJAへ/JAおやま/くらしのニーズに応える

 JAおやまでは、「JAくらしの活動」を通して、くらしの中の願いやニーズに応える活動を積極的に展開しています。農業体験スクール「あぜみちサミット」、地域のご高齢の方に1日楽しく過ごしていただく「ミニデイサービス」、「親子クッキング」や「女性大学」など、さまざまな活動を行っています。

 また、JAくらしの活動の中の「健康寿命100歳プロジェクト」では、講座や実践で学ぶ「介護予防教室」、カラオケや輪投げの「交流会」、近隣のハイキングコースを回る「ウオーキング大会」も開催しています。地域の方も参加できます。行事の開催については、ホームページやJA広報誌などで事前にお知らせし、参加者を募集しますので、お気軽にお問い合わせ下さい。

 JAおやまは、ゆとりと生きがいのある暮らし、人と人のつながり・助けあいのある地域の創造を目指します。

【問い合わせ先】JAおやま本店生活利用課電話0285・25・3116

[写真説明]「とちおとめは万能選手」と話す高橋さん

[写真説明]とちおとめのパック詰め作業

[写真説明]佐藤秀彦さん