味よし、色よし、形よしと、何拍子もそろったナスの中の「絶世の美女」を目指して命名されたのが、JAなすののブランド「那須の美なす」です。ナスは、生食はもちろん、煮る、焼く、揚げるなどさまざまな調理法に対応できる“万能野菜”。暑さで火照った体を冷やす作用も強いので、食欲が減退する夏場にぴったりの食材といえます。

 なす部会(180人)が生産している「美なす」は、表皮の紺色が極めて濃く、ほとんど黒に見えるほどの艶が特徴です。ハウス栽培と夏秋タイプがあり、3月下旬から11月まで京浜市場を中心に出荷されます。

▽ベテランから学ぶ

 夏秋ナスは現在、出荷の最盛期。同部会にあって29歳という若さが際立つ小山田悟史(おやまださとし)さん=大田原市小滝=は、毎朝4時に起床してナスを収穫し、多い日は約3千個を出荷しています。「正直、朝早いのは大変ですが、自分が頑張った分だけ結果になって返ってくるのは魅力だと思っています」と、さわやかな笑顔になりました。

 県の農業大学校に在籍していた19歳の時に父親を亡くし「いつかは後継者にと思っていましたが、就農時期が10年ぐらい早まりました」と振り返ります。ナス作りは「全くゼロからのスタート」で、近所に住むベテランの生産者に育て方の基本から機械の使い方まで手とり足とり教えてもらったそうです。

▽ブランド浸透図る

 「部会では最も年齢が近い人で7、8歳上。ベテランの人たちは、さまざまな情報を持っていて本当に勉強になります。それに、もっといろいろなことを話したかったおやじの代わりを務めてもらっている感じですね」

 小山田さんは3月に結婚したばかり。妻のあゆみさん(27)のおなかの中には新たな生命が宿っているそうで「生まれてくる子どものために、もっと頑張らなくては」と気合が入っています。

 「『美なす』は出荷時期のかぶる高知県産や群馬県産と比べても品質では決して負けていません。そこのところをアピールしていきたいですね」。自慢の“娘”を持つ父親のように強く、優しいまなざしでそう話しました。


◇◆◇ 雑学辞典 ◇◆◇

  • ナスの歴史

    原産地はインド東部とする説が有力。その後、ビルマ(現ミャンマー)を経由して中国に渡ったと考えられている。日本には平安時代に伝わったとされる。元は貴重な野菜だったが、江戸時代ごろから広く栽培され、庶民的な野菜となった。

  • 良いナスの選び方

    表皮がなめらかで光沢があり、濃紫色のものを選ぶ。ガクの部分のとげがとがっているほど新鮮とされる。ヘタや表皮が茶色に変色しているものは、皮が硬く果肉に種が多い場合がある。

  • ナスの言い習わし

    私たちの食生活と密接に結びついたナスには「秋茄子(なす)は嫁に食わすな」「親の小言と茄子の花は千に一つの無駄もない」「一富士、二鷹(たか)、三茄子」など、数多くの慣用句やことわざがある。

 

次代を担う/JAかみつが青年部 北犬飼支部副支部長
株式会社コバヤシファーム社長/小林哲哉(こばやしてつや)さん(36)/
法人化で農業と仲間守る

 東日本大震災後の2012年2月に「株式会社コバヤシファーム」を立ち上げました。大震災の風評被害などで農産物が大きな打撃を受けた苦い体験から、農業の仕事や一緒に働く仲間たちの安全を守るためには法人化が必要不可欠と考えたからです。

 現在、20代から40代の若手を中心に約10人体制で小松菜とホウレン草を作っています。時季のずれている2品種を栽培することで通年出荷が可能となり、従業員の雇用を確保することにもつながっています。もし将来的に「独立したい」という従業員がいれば、全力で応援したいですね。

 29歳で本格的に就農するまでは、コンピューター会社でSE(システムエンジニア)として働いていました。就農直後は、コンピューター関連の仕事と違ってマニュアル通りにいかないことが多く、机上の計算と現実とのギャップに戸惑いましたが、それが新鮮でもありました。

 最近は何とか量を多く作れるようになったので、今後はさらなる品質の向上を目指していきたいと考えています。


ようこそJAへ/JAかみつが/楽しく健康 ウオーキング

 JAかみつがでは、平成24年度からウオーキング大会を開催しています。

 これは、「JA健康寿命100歳プロジェクト」の一環で、ウオーキングを通して健康づくりをすすめるとともに、地域のみなさんに農業・JAへの理解を深め、新たな「JAファン」になっていただくことを目指しています。平成26年度は、第3回大会を4月5日(土)に開催しました。

 今後、10月25日(土)に第4回大会(日光地区)を予定しています。参加定員は先着80人程度。日光だいや川公園をスタートして紅葉の中、途中杉並木を歩く約5キロのコースです。

 ゴール後は、野菜たっぷりのけんちん汁やJAグッズなどの景品が当たるお楽しみ抽選会もあります。

 9月には、チラシなどで参加者を募集する予定です。参加費は無料。ぜひご家族やご友人と一緒にご参加ください。

 問い合わせは、JAかみつが総務課電話0289・65・1000まで。

[写真説明]夏秋ナスの選別作業

[写真説明]「那須の美なす」を生産している小山田さん(手前)

[写真説明]小林哲哉さん