子牛の死産で就農を決意

 

 祖父が経営する和牛繁殖農家の仕事を始めて3年になります。繁殖農家を継ごうと思ったのは、中学生の時です。ある日、牛の出産に立ち会いました。しかし、残念なことに流産で子牛は亡くなってしまい、母牛は悲しい顔をして子牛にずっと寄り添っていました。その様子を見ながら、こんなことが二度と起こらないように私にできることは何だろうと考え、この道に進むことを決めました。

 それから農業系の高校を卒業後、農業専門学校の畜産コースに進学し、在学中に人工授精師の資格を取得して20歳で就農しました。

 出産の立会いがこの仕事で一番大変ですが、同時に最もやりがいを感じる時でもあります。自分で人工授精を行った母牛から元気な子牛が生まれた時のうれしさは格別です。

  生まれてから約9か月間育成し、矢板家畜市場でセリにかけますが、今年から私の名前で子牛を出荷しています。セリで取引される子牛の価格は、血統が大きく影響します。今は血統に左右されることなく、品質のよい子牛を育てることを目指していますが、まだまだ学ぶことはたくさんあります。

 現在、母牛が11頭、子牛が3頭いますが、将来は母牛を40頭くらい飼育したいと思っています。これからは血統にもこだわり、高い値段で取引される高品質の子牛を育成する繁殖農家を目指して頑張りたいです。