サラリーマンを辞めて家業を継ぐことを決意

 

 JAうつのみやのアスパラガスは、1988(昭和)年に上三川町で初めて作付けされ、現在では県内有数の産地に成長しました。宇都宮市内でアスパラガスを栽培する佐藤要さん(45)は、大学卒業後、サラリーマン生活を送っていましたが、30歳を目前に会社を辞め、実家の農業を継ぐことを決意しました。就農するにあたり、これまでやってきた米と麦に加え、新しいことにチャレンジしないとこれからの農業経営は難しいと考えていたと言います。

 「他の人があまりやっていない野菜を栽培したいと思い、当時JAうつのみやが奨励していたアスパラガスの栽培を始めました。米や麦と栽培時期が重ならないことも大きかったです」と佐藤さんは話します。

 アスパラガスは、1株植えると年以上は収穫できるといいます。最初にしっかりした土壌を作り、1、2年目はいい株を育て、3年目から安定した収穫ができるようになります。佐藤さんが最初に育てた株は、今年で15年目を迎えましたが、いまだに毎年おいしいアスパラガスが収穫できるそうです。

首都圏で人気のブランド「アスパラリン®️」

 現在、佐藤さんは10棟のハウス計30アールでアスパラガスを栽培し、2月下旬から10月初旬まで収穫しています。今は春芽が出荷のピークを迎え、収穫に追われる毎日です。春芽は、茎が太くて柔らかく、甘みもたっぷりでジューシーなのが特徴です。JAうつのみやでは、長さ、太さなど一定の基準をクリアしたものを「アスパラリン®」と名付けてブランド化し、東京を中心に首都圏に出荷し、人気のブランド野菜になっています。

 「春芽の収穫が終わると、1株当たり4、5本の茎を育てて光合成をさせ、栄養を茎や根に回し、伸びてくる夏芽を収穫する立茎(りっけい)栽培を行います。蓄えられた養分は、夏芽の収穫を可能にすると同時に翌年春に収穫するアスパラガスの甘さにもなります」と佐藤さん。立茎栽培は、来シーズンもおいしいアスパラを収穫するために欠かせない栽培法です。

 

 佐藤さんは、市内の小学校に給食の食材としてアスパラガスを提供しています。子どもたちから「おいしかったです」というお礼の手紙をもらい、とてもうれしかったと笑顔で話す佐藤さん。これからも皆さんにおいしいと言ってもらえるようなアスパラガスを育てていきたいと抱負を話してくれました。

【問い合わせ】JAうつのみや 028・625・3380

雑学辞典

春芽と夏芽の違い 春芽は、太くて甘みが濃い。夏芽は、シャキシャキとした食感で、あっさりした甘みがあります。

選び方 できるだけまっすぐ伸び、切り口が新しく穂先が締まっているものを選びましょう。

栄養価 ビタミンA、B1、B2、C、Eなどが含まれています。穂先にはルチンが多く含まれており、動脈硬化や高血圧の予防に効果があると言われています。