NTT東日本栃木支店(小林博文(こばやしひろふみ)支店長)は28日までに、温泉水を利用したトラフグ養殖におけるIoT(モノのインターネット)技術を活用した実証実験に参画した。IoTの導入や活用を進める「県IoT推進ラボ」の取り組みの一環。水質管理などでIoTを活用した方式と従来方式の養殖プールの水質データや養殖魚の死亡率を比較して効果を検証する。
 実証実験は、温泉水を利用してトラフグを養殖する「岩商」(那珂川町小川、岩河健一(いわかわけんいち)社長)と無線通信機器設計開発の「九州テン」(福岡市博多区、間嶋力彦(ましまりきひこ)社長)と協力する。
 期間は今月から来年1月末までの2カ月間。温泉トラフグ養殖場の一部のプールに水質計やカメラなどを設置し、養殖プール内の水質を常時計測してデータ化する。また、プール内の状態をリアルタイムで遠隔監視をすることで、水質が基準値と大きく懸け離れた場合には早急に対処できるようにする。
 養殖魚には水温や水質の変化に敏感な種類がおり、安定的な生産環境を構築するには継続してデータを蓄積し、水質を管理する必要がある。しかし人力で水質を検査し、データを取得するのは稼働面の負荷が大きく、IoTを活用した方式と比較し、検証する。
 今後の展望について同支店は「連携各社の技術力とIoT・ICT(情報通信技術)の力を掛け合わせ、温泉トラフグ以外の水産業全体の課題解決にも裾野を広げ、地域経済の活性化に貢献していく」としている。
 同ラボは2018年9月に発足し、県や県内市町、大学、地域金融機関などで構成され、県内各地で5項目の実証実験に取り組んでいる。同ラボアドバイザーのNTT東日本栃木支店のほか、5項目ごとに中心となる企業や自治体、県内の事業者などが参加している。

2020年12月29日(火)    下野新聞朝刊