【大田原】市は18日、NTT東日本栃木支店と共同で実施した業務効率化を図るための人工知能(AI)活用実証実験の結果を発表した。文字読み取りソフト「AIよみと~る(AI-OCR)」による市民アンケート集計の作業時間は8割削減。市は今月中をめどに導入可能な業務を調査し、来年度の導入に向けて準備を進めることにした。

 実証実験は、同ソフトと、読み取ったデータを自動でシステム入力する「ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)」を活用して2~3月に実施。(1)市民アンケートの集計(2)市民健康診査申込書のシステム入力(3)要介護認定調査書類のシステム入力-の3業務をソフトで再処理し、所要時間やランニングコストなどを手入力作業と比較した。

 アンケート集計業務では、昨年7~8月に実施した「市の鳥」公募の市民応募用紙をAI-OCRのみで再処理。元来の手作業では全4500件の処理に計約112時間を要したが、同ソフトでは計約22時間だった。

 市民健康診査申込書と要介護認定調査書類のシステム入力業務は両ソフトを用いて実験し、それぞれ作業時間が7~8割削減される効果を確認した。
 RPAの導入については、費用対効果に見合う業務量などを確保する必要があることなどから、引き続き検討する。

 津久井富雄(つくいとみお)市長が同日の定例記者会見で発表した。    

2020年05月19日(火)    下野新聞朝刊