子どもでもインターネットで簡単に性の情報を得られる日本。一方、性犯罪に遭う子どもが後を絶たない。親は子どもに知識をどう伝えたらいいのだろう。家庭での性教育を広める活動を行う団体「とにかく明るい性教育 パンツの教室協会」(東京)代表理事ののじまなみさんに親が行うべき性教育について聞いた。

のじまなみさん

 性教育は「寝た子を起こすな」とタブー視されてきたが、のじまさんは「性教育は命の教育であり、身を守るための教育」と力説する。性教育で初めての性交の年齢が遅れたというデータもある。

 では、いつからどのように始めたらいいか。一般的に学校の授業で「性」を扱うのは小学4年だが、「遅過ぎる上、授業だけでは不十分。10歳を過ぎると、友達の情報を重視するようになり、伝えるタイミングもなくなる」とのじまさん。「素直に話を受け入れられる年齢である3~10歳」に、親が教えるのが理想だという。

 ただ、子どもと向き合って性を語るとなると、気恥ずかしさを感じてしまう人も多いのでは。「それは『性=恥ずかしいもの』という価値観が植え付けられているから。命の誕生は恥ずべきことではないですよね」。のじまさんは「明るく楽しく話すことで、子どもは親から愛されていると実感し、自己肯定感も高まる」と話す。

 生命の誕生や受精を教える“教材”は、幼児でも興味を持ちやすい昆虫や動物、花など身近にあるという。「科学としてそのまま伝えればいい」

 

 お勧めは、クイズ。例えば動物園で「ここにいる動物で、お母さんのおなかの中に一番長くいる動物は何」と聞く。すると、「なぜゾウは長期間おなかの中にいるのか」「あなたはママのおなかにどれくらいいたのか」「どうやって産まれたのか」と話が広がっていく。

 親子の入浴タイムも絶好の機会。のじまさんは入浴時に親子でパンツ洗いをすることを勧める。月経血が付いたパンツを洗うのを見て、子どもは生理や妊娠について学び、成長して夢精や生理でパンツを汚した時も自分で対処できるようになる。

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 防犯のために教えたいのが「水着ゾーン」。水着で隠れる場所(胸、性器、おしり)と口を指す。性別に関係なく、他人に見せてはいけない(口は除く)、触らせてもいけない場所で、無理やり触ってきたり、触らせたりしようとする人は危険な人であり、すぐに逃げて親に伝えるよう教える。

 友達にとっても大切な場所であることを伝えれば、「スカートめくりをした」「友達にキスした」といった加害トラブルも避けられる。

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 テレビなどの性的なシーンや「赤ちゃんはどこから来るの」といった質問を避けるのは禁止。親が拒絶したことを子どもは敏感に感じ取り、性を話題にしてはいけないと思うようになる。

 すると、性犯罪に巻き込まれた時に「親に言ってはいけない」と隠したり、インターネットや友達からの誤った情報を正しいものとして受け取ったりする危険も出てくる。のじまさんは「性教育で得た知識は子どものお守りになる。諦めずに続けて」と呼び掛けている。