運動会に七五三などイベント豊富な秋。気になる話題をアンケートで掘り下げる「子育てリサーチ」は、写真・動画といった子どもの思い出の残し方を、無料通信アプリLINEの「はぐくもっと」登録者らに聞いた。思い出をどう残しているか尋ねたところ、写真・動画はデータだが、子どもの描いた絵や工作など物はそのまま残すとする回答が半数超と最多。ペーパーレス化の浸透が垣間見える一方、リアルを尊重する姿勢もうかがえた。写真・動画の撮影に当たっては、カメラ・ビデオカメラよりもスマートフォンを重視する人がほとんどで、撮影機器はスマホが主流のようだ。

 アンケートは10月中旬に行い、20~50代の子どもを持つ男女22人が回答した。子ども(複数いる場合は一番上の子)の年代は未就学児が9人、小学生が9人、中学生以上が4人だった。

 

 まず、子どもの思い出を物やデータで残したいか聞くと、「残したい」が19人。思い出作りのシーンについてイベント・行事と日常のどちらを重視するか、との質問には「イベント・行事も日常も両方」が16人で最も多かった。

 どのように思い出を残しているか、物かデータかの視点で自身の態度に一番近いものを選んでもらうと、「絵や工作など物はそのまま、写真・動画はデータで残す」が12人で最多。「物はデータ(撮影してデータ化)で、写真はプリントして残す」(4人)「物も写真・動画もデータ(物については撮影してデータ化)で残す」(3人)などの選択肢は数が拮抗(きっこう)拮抗した。

 写真・動画の撮影機器で重視するのは、「カメラ・ビデオカメラ」よりも「スマートフォン」とする人が20人と、9割に上った。

 自由記述には、物やデータの整理に苦慮する声が多く寄せられた。データについては、機器のデータ容量が大きくなったことなどが背景とみられる。物については、残したいが「場所を取られる」点に頭を悩ませているとの声もあった。

整理にアプリなど活用も

 思い出の残し方アンケートの自由記述では、大量の写真・動画データの整理に関する悩みが目立った。

 データは特に、消える可能性があるのが大きな懸念点。消失に備え、DVDなどへの保存のほか、Googleフォトなどインターネット上のクラウドサービスや、写真・動画を共有できるスマートフォンアプリを使ってバックアップを取っておくと安心だろう。

 一歩踏み込み、専用機器で対策する方法もある。アプリなどを通じスマホやデジタルカメラのデータを1台に収めてテレビなどの画面で表示、整理できる製品が販売されている。

 成長著しい子どもたち。自由記述には、少し前の写真を見て「成長を実感したり懐かしんだりする」との声も寄せられた。新しい技術・サービスも活用しながら、当時を楽しく振り返れるようなデータ整理に無理せず取り組みたい。

◇コメント集

 カメラ、ビデオカメラ、スマホと、データを保存しているだけで未整理なため、皆さんの上手なまとめ方をぜひ知りたいです。(真岡市、30代女性

 考え方が古いので、データで残してあっても何かアクシデントがあって消えてしまったら?と不安で仕方ないので、基本的に写真は撮ってすぐ現像します。(宇都宮市、40代女性

 携帯でたくさん写真を撮っても見返すことがないのが悩みのたね。(佐野市、50代女性

 立体的な工作は場所を取られる。でも、この時期に作ったものだよなぁ、もう同じ時期はないし…と思うと、何とかコンパクトにならないかと考え続けています。(宇都宮市、50代女性

 作品などは写真に残していましたが、その後見返すこともないので、今では撮らずに捨てています。運動会などのイベントもスマホで写真や動画を撮るくらいでしたが、友だちからもらった写真がきれいで、一眼レフが欲しくなりました。(佐野市、30代男性

 撮った写真はアルバムアプリで管理できるので、プリントして手元に残るアルバムも作りたいと思うがなかなか手が回らない。(栃木市、30代女性

 気軽にスマホで撮ることが多いですが、ずっときれいに残せるデジカメも手放せません。最近のスマホは撮った写真を自動で仕分けしたり、たまに何年か前の写真をお薦めしてくれるので、成長を実感したり懐かしんだりするのにいい。絵や工作は全部取っておきたいのですが、保管場所がなく妻に捨てるように怒られることが多いです。(県外、40代男性

 イベントが大好きでいろいろ参加しているが、その都度ビデオカメラとスマホの2重撮りなので、データがすごい量になっている。全てかわいいのでどれをプリントするかも決められず、いまだデータでしか残せていないのが今の悩み。(日光市、40代女性