「今年は去年より玉が大きいですね。安全安心を徹底し、消費者の皆さんにおいしい玉ネギをお届けしたい」
 40年近く玉ネギを生産している上三川町三本木の小口義徳(こぐちよしのり)さんはこう語ります。

雑草は手で除去

 小口さんは2018年3月からJAうつのみや玉葱(ねぎ)専門部の部長を務めています。同専門部は部員数が219人で玉ネギでは県内最大の専門部です。栽培地は宇都宮市、上三川町、下野市の一部(旧南河内町)と幅広く、生産量も年間平均3300㌧で県内最大です。鬼怒川流域の肥沃な大地を中心に作られており、昭和30年代から生産が始まるなど歴史もあります。 

 「露地栽培なので天候には気を使います。露地野菜は価格の変動もありますが、やりがいがあります」。9月に種をまき、11月に定植機で定植します。圃(ほ)場には頻繁に足を運び、雑草などが生えてきたら除草剤などは使わず、手で除去していきます。「作物ファーストを心掛けています」と小口さんは言います。 
 収穫は5月から始まり、出荷も同じころに始まります。6月上旬まで早生の品種が市場に出ます。早生の品種はかつお節や醤油だけでも食べられると言います。小口さんは「玉葱は血液がサラサラになる効果があるともいわれており、消費がどんどん伸びていると感じています」と話します。

オール栃木で生産・販売の強化を目指す

 生産者数こそ県内最多のJAうつのみやの玉葱専門部ですが、少子高齢化による後継者不足は深刻な課題です。JAうつのみや営農部園芸課の稲見健二次長は「産地の維持拡大のため機械化一貫体系の確立による省力化栽培を目指し、JAうつのみや玉葱専門部としてのみではなく、JA全農とちぎ主導のもとオール栃木として生産と販売の強化を目指していきたい」と説明します。
 小口さんは「淡路島は西日本有数の玉ネギ産地ですが、栃木県と10㌃当たりの収量はそれほど変わりません。こうした先進地では機械化が進んでいます。機械の導入が進めば、栃木県が東日本最大の玉ネギ産地となることも可能です。そのためにはJAうつのみやだけでなくオール栃木で取り組んでいくことが不可欠になるのではないでしょうか」と話していました。

 

 雑学辞典

玉ネギの生産地 2018年産の日本の玉ネギの作付面積と出荷量のトップは北海道で作付面積1万4700㌶、出荷量は67万4700㌧。2位は佐賀県、3位が兵庫県(淡路島)、4位長崎県、5位愛知県と続き、栃木県は6位に位置する。