パスポートで安全証明も

 畜産が盛んな本県は、肉牛飼養頭数が全国6位。中でも、きめ細かく、軟らかく、風味豊かなおいしさの味わい深い銘柄牛「とちぎ和牛」は、本県が誇る高級牛です。主産地は那須地方や小山市、鹿沼市など。指定生産農家221戸が、血統が明確な黒毛和種を手塩に掛けて肥育しています。肉質の格付けが高い牛が厳選され、認定されるのは年間約3300頭。品質を競う全国の品評・共励会で例年、高い成績を修めています。

 ■ 地元普及への努力 ■

 このようなとちぎ和牛のおいしさを市民や観光客らに地元で味わってもらおうと、鹿沼市は「焼肉のまち・かぬま」とうたい、鹿沼産とちぎ和牛を「かぬま和牛」としてPRしています。新たな食文化を育て、地域おこしにつなげることも狙いです。

 2001年12月、同市、生産者、小売店などの関係者が一丸となって推進協議会を発足させました。肉店と料理店による協賛会を立ち上げるとともに、卸業者の協力を得て、鹿沼産とちぎ和牛を協賛会加盟店27店で提供しています。共通ののぼり旗を加盟店に掲げるほか、PRマップもつくりました。「ゼロからの出発でしたが、鹿沼産とちぎ和牛がだいぶ認知されるようになりました」と、同市商工観光課担当者は笑顔で話します。

 一方、JAおやまは7、8年前から、管内産とちぎ和牛を毎月4頭、宇都宮市など県内の食肉卸・販売店や焼肉店に相対取引で出荷販売しています。生産者側にとっては枝肉を1頭丸ごと買ってもらえること、店側にとっては生産者の顔が見える安全・安心な牛肉を買えることがメリットです。

 ■ 指定店で取り扱い ■

 とちぎ和牛は、県内60店、県外45店の取り扱い指定店・提供店で買い求めたり食べたりできます。品種、生産者、肉質が厳選されたとちぎ和牛を、確実に消費者に届ける選ばれた店です。

 JA全農とちぎは、出荷時に県産銘柄牛の安全・安心を証明する「栃木県産牛肉パスポート」を発行しています。パスポートには牛の血統や生産地、生産者、飼料内容など17項目にわたる生産履歴が記入され、取り扱い各店に掲示されるなどしています。

 [写真説明]JAおやまから相対取引でとちぎ和牛の枝肉を仕入れている(株)渡清のグルメショップ。とちぎ和牛は、県内外105の指定店・提供店で取り扱う=宇都宮市二荒町


 コラムオアシス 「医食同源」

 実りの秋を迎え新米の香りが食卓を楽しくする季節です。

 「医食同源」という言葉がありますが、古くは「薬食同源」といわれ、薬も食も源は同じという中国に伝わる不老長寿の道を求めた言葉です。

 日頃私たちは、食物の栄養価は意識しても薬効まで考えて食べている方は少ないと思います。

 野菜の中には、薬用であったものが常用の食材になったものもあるようです。

 身近な野菜の薬効では、大根はでんぷん質の消化に、ニラは下痢止めに、きゅうりは利尿に効くなど、また、最近ではニンジン、かぼちゃなど「カロテン」を含む緑黄色野菜には発ガン抑制効果があり、さらに、イチゴにはビタミンCのほか「葉酸」も多く含まれ、痴呆症の予防効果があるといいます。

 一方、ビタミンや蛋白質など多様な栄養素を含む乳製品やお肉などもバランスよく摂ることが大切で、食品の種類は一日30品目以上が目安といわれます。

 食べ物は「薬効」も具えた命の源です。新鮮で安全な確かな食材を身近なところで得る地産地消は、健康を保つ上からも大事なことです。

(栃木県厚生農業協同組合連合会 理事長 鈴木宗男)