1945(昭和20年)8月16日付毎日新聞
1945(昭和20年)8月16日付毎日新聞

 「聖断拝し大東亜戦終結」。1945(昭和20)年8月16日、毎日新聞は1面で昭和天皇の詔書を掲載し、突然の終戦を伝えた。下野新聞社は約1カ月前の宇都宮空襲で被災し、毎日新聞に発行を委託していた。この日の紙面制作の記録は、下野新聞社に残っていない。

 同年7月、米英中(後にソ連も参加)は日本に無条件降伏を要求し、戦後の対日処理方針を示すポツダム宣言を発表した。宣言は13条で構成され、軍国主義の除去や戦争犯罪人の処罰、領土の制限、民主主義の確立などが明記された。

 日本の政府内は国体護持や自主的武装解除などの条件を付けた上での宣言受諾を主張する軍部案と、天皇の地位存続のみを条件とする外務大臣案とに分かれた。8月10日、鈴木貫太郎(すずきかんたろう)首相が昭和天皇に発言を求めたところ、昭和天皇は外務大臣案に同意した。14日の御前会議でも昭和天皇が受諾を促し、宣言の受け入れが決まった。翌15日、終戦の詔書を読み上げる「玉音放送」がラジオで流れた。

 日中戦争、太平洋戦争と合わせ、日本の犠牲者は軍人や民間人など約310万人に上るとされる。