年末・年始を控え、出荷のピークを迎える

 

 秋から冬へと日増しに寒さが厳しくなると、食べたくなるのが鍋料理。鍋料理に欠かせない青菜といえば、独特の香りと苦味をもつ春菊です。春菊は、カロテンやビタミン類などの栄養が豊富なことから“食べるかぜ薬”とも言われています。

 JAしおのや管内は、栃木県でも春菊の有数な産地として知られ、8月下旬頃から出荷が始まり、12月中旬頃に出荷がピークを迎えます。 「今年の秋冬獲りの春菊は、台風や病気の影響もなく、順調に育ったおかげで品質も良好です。収穫は、3月末まで続きます」と話すのは、JAしおのや春菊部会の部会長を務める綱川仁(つなかわじん)さんです。

 綱川さんは春菊栽培を始めて今年で9年目。栽培している春菊は、「さとあきら」という品種で、生育が早く、病気にも強いことから収量が多いのが特徴です。

土壌づくりにこだわり、高品質の春菊を栽培

 

 最もこだわっているのが、土壌づくりです。春菊は、連作障害があり、同じ土壌で栽培する場合、通常1~2年の間隔を空けます。綱川さんは収穫終了後、ハウス内に1週間程度水を入れ、土壌の肥料や雑菌を抜くことで連作を可能にしています。綱川さんの家では、代々水稲栽培を行っているので、ハウス内にも水を引き込むことが可能なため、この方法を始めたそうです。

 さらに土に米ぬかを混ぜ、発酵時に発生する熱で殺菌しています。また、春菊は酸性土壌に弱いため、毎年土壌診断を行い、酸性度が高い場合は、石灰をまいて中和させ、中性に近い弱酸性に調整するなど、高品質の春菊栽培のためにさまざまな方法を取り入れています。

 
 冬の寒さ対策も重要です。ハウスの中に小さなハウスを設け、夕方から朝まで保温シートをかけて夜間の気温低下に備えています。JAしおのやでは、春菊の品質向上のため、農業生産工程管理(GAP)を導入し、安全・安心にも力を入れています。 綱川さんのお宅にある5つのハウスでは、元気に育ったみずみずしい春菊が出荷を待っています。12月は、奥様と2人でほぼ毎日収穫と出荷作業に追われます。収穫はすべて手作業で行い、腰を屈めての作業はかなりの重労働です。

 「鍋料理はもちろん、おひたしやごま和え、サラダなど自分の好きな食べ方で春菊を味わってください。健康にもいいですよ」と笑顔で話してくれました。

【問い合わせ】JAしおのや028・681・7555

雑学辞典

春菊の種類 春菊は、キク科の野菜で、独特の香りと風味を持ち、春に菊に似た花が咲くことからこの名前がつきました。関西では「菊菜(きくな)」の名で親しまれています。

 葉の大きさにより、葉の切れ込みが浅い大葉、切れ込みが深い中葉、葉が細めで切れ込みが深い小葉に分かれます。大葉は、中国地方や九州地方など西日本で多く栽培されていて、東日本は中葉が主流。小葉は、現在あまり栽培されていません。