トンカツ、しょうが焼き、ローストポークに焼き豚、豚汁や炒め物と数多くの調理法があり、栄養価が高く、価格的にもお手頃な豚肉。本県は飼養頭数が全国8位にランクインする「豚肉県」でもあります。県内では飼料などにこだわり、味などに特徴を持つ銘柄豚(ブランド豚)も多数開発されています。県産ブランド豚の一つで販売開始から10年を迎えた「とちぎゆめポーク」は、2016年度出荷頭数が1万頭超えとなるのが確実視されるまでに消費が拡大しています。

▽指定5農場から出荷

 畜産統計(14年2月1日現在)によると、県内の豚飼養戸数は136戸で全国11位。飼養頭数は39万3200頭となっています。10年前と比べると飼養戸数は約3割減少していますが、1戸当たりの飼養頭数は増えており、大規模化と経営効率化が進んでいます。

 とちぎゆめポークは、指定された生産者が指定された配合飼料を使って、細やかな飼育環境の下で育てたこだわりの豚肉です。05年にブランド豚として立ち上げ、06年から販売をはじめ、12年に商標登録を完了しました。ブランド化当初は1農場からスタートし、徐々に生産者が増え15年度は5農場から8750頭が出荷されました。

▽豚肉本来の甘味

 小麦を多く含む飼料を使うため、肉にうま味成分のオレイン酸が一般の豚よりも多く含まれていて、舌触りや口どけがまろやかで、サシが多く入っているのも特長です。

 とちぎゆめポーク指定生産者の「豚屋佐久間」の佐久間伸一(さくましんいち)さん(41)=上三川町石田=は「とちぎゆめポークは、豚肉本来の甘味が感じられる豚肉です。また、トレーサビリティー(生産流通履歴)を徹底することで、消費者の皆さんに『安全・安心』をお届けします」と胸を張ります。

 豚は大変きれい好きで暑さや乾燥にも弱いデリケートな生き物です。産まれてから約半年で出荷となりますが、その間の温度・湿度管理は大変重要です。佐久間さんは「風邪をひきやすい動物なので特に湿度管理には気を使っていて、乾燥しているときには散霧機で加湿しています。おいしいとちぎゆめポークを皆さんにお届けできるように、細心の注意を払っています」と話します。

 「個人的には、とちぎゆめポーク本来のおいしさが感じられる、塩やコショウで味付けしたポークソテーで食べるのが好きです」と佐久間さん。とちぎゆめポークは精肉店などの店頭のほか、宇都宮市内をはじめとするレストランなどでも提供されています。郷土が誇る自慢のブランド豚を、ぜひ皆さんも味わってみてください。

◇◆◇ 雑学辞典 ◇◆◇

  • 豚の歴史

    豚はイノシシが家畜化されたもので、紀元前7000年から紀元前3000年の古代オリエントの遺跡から、豚の骨が出土するなど、最も古い家畜の一つだといわれている。

  • 日本への伝来

    600年代に書かれた「日本書紀」の中に大陸から渡来した人の家でイノシシ(豚)を飼養しているとの記述がされている。豚を飼う技術は、200年代から600年代ごろに大陸からの渡来人によって、広められたと考えられる。

  • 豚肉の栄養

    タンパク質、脂肪、ビタミンB1が主な栄養素。豚肉のタンパク質は、アミノ酸のバランスがよく良質で、豚肉の脂肪に含まれる不飽和脂肪酸は、悪玉コレステロールの減少や、動脈硬化予防、心疾患予防などの効果が期待できる。


次代を担う/JA佐野 青壮年部 監事/
小林昌史(こばやしまさふみ)さん(37)/奥深さ感じるイチゴ栽培

 サラリーマンからイチゴ農家に転身して5年目。農業はやればやるほど奥深さ、面白さを感じます。

 前職はレストランで接客業務をしていました。物を作る仕事がしたいと思い、叔父がイチゴを栽培していた事から弟子入りし、一から農業を始めました。今は約11アールの農地でとちおとめとスカイベリーを半々ずつ作っています。日々、勉強ですが少しずつ右肩上がりで収量も上がってきていて、手応えも感じています。

 収穫が本格化するこれからは、ほぼ毎日、日の出とともに収穫を始めます。なるべく寒い時間の方がイチゴの身も締まっていて、収穫しても傷みづらいように感じます。作業はほぼ一人でこなしています。自分のペースで作業ができるので、サラリーマンとは違うリズムで仕事ができます。自分にはこの仕事が合っていると感じています。

 温度管理にこだわり、成熟したおいしいイチゴが出荷できるように心掛けています。自分のイチゴを食べていただいた方から「おいしかったよ」と言われるのが、何よりもうれしいです。


ようこそJAへ/JA佐野/山羊・羊の放牧で地域を守る

 JA佐野管内のより充実した生活を目指す人たちで組織し、JA佐野が事務面で活動を支援する「男の会」とJA佐野女性会本部は1月23日、佐野市閑馬上区で山羊(やぎ)・羊放牧場の柵の設置作業を行います。

 獣害に悩む同地区では、閑馬上区里山を守る会が中心となり、山から里へシカやイノシシが侵入するのを防止する柵を設置し、その柵沿いに山羊と羊の放牧場を作っています。山羊と羊が緩衝帯を歩き回ることで、人と動物の境界線が構築されるとともに、除草管理にも役立っています。なお、同会は山羊や羊のエサ代を捻出するため、「閑馬里山カレンダー」を作成し、協力者に販売しています。

 今回、「男の会」などは、未整備の放牧場で柵の設置作業を志願して行いますが、初心者でもできる簡単な作業ですので、一般からの参加も可能です(参加料1人1000円※昼食付き)。

 詳しくは、JA佐野営農・支援課電話0283・24・3420まで。

[写真説明]「おいしい『ゆめポーク』をお届けできるように、1頭1頭大切に育てています」と語る佐久間さん

[写真説明]清潔な豚舎ですくすくと育つ豚

[写真説明]小林昌史さん