
戦後を象徴する出来事の一つが、基本的人権の尊重や民主主義、国民主権をうたった日本国憲法の誕生だった。
公布は1946(昭和21)年11月3日。この日の本紙は「平和日本世界へ宣言」「新憲法今日公布」などと大きく扱った。新憲法の全文とともに、制定の経過や国民主権、平和主義など軸となる趣旨をかみ砕いて読者に伝えた。
翌日の朝刊では「太平洋戦争を生んだ過ちを再び繰り返すまいとする国民の確乎たる決意を基礎としている」との一文も。その上で「喜びと興奮の渦巻」「モーニングの紳士、婦人の盛装も久しぶり」と、祝福する県民の様子を表現した。
公布に合わせて市町で行われた式典の様子や知事談話のほか、連合国軍総司令部(GHQ)のマッカーサー元帥が「世界平和への偉大な第一歩」と述べた所感も載せた。
日本国憲法は、天皇主権を定めた大日本帝国憲法を改正する形で制定が進んだ。46年10月29日、枢密院で改正案が決まり、11月3日の公布を経て47(昭和22)年5月3日に施行された。5月3日は現在、「憲法記念日」となっている。