秋はまさに実りの季節ですね。里山や公園でもたくさんの木の実を見つけることができます。今年、サシバの里自然学校の里山では、山グリが豊作。道や森にクリがたくさん落ちています。子どもたちは本当に木の実が大好き。特にクリやドングリを拾っては、小さな手にぎゅっと大事そうに握りしめていますよね。

秋の里山はクリやドングリなどあちこちで木の実が見つかる

 

 山グリはとても小さいのですが、うまみがギュッと詰まっていてコクがあり、とてもおいしいです。ただし小さいのでむくのが難しいかもしれません。子どもたちは喜んでたくさん拾っていきますが、帰ってからの調理は大変そうです。

 他にも子どもたちに人気なのが、公園などで見かける弾丸のような形の大きなドングリです。これはマテバシイと言います。ツヤツヤと光る大きくてきれいなこのドングリ、実は食べることができます。アク(タンニン)が少なく、アク抜きの必要なく食べることができるのです。

 キレイなマテバシイを拾ってきたら、水に浮かべてみましょう。虫が食べていたり、傷んでいるドングリは水に浮かびます。しっかり水に沈んでいるものだけ選んで、乾かし、フライパンでいってみてください。意外と…おいしいかもしれません。見つけられた方は挑戦してみてください。

 ちなみにもっとおいしいドングリはスダジイです。スダジイは小指の先ほどの小さなドングリです。落ちているスダジイを見つけても、虫たちに先に食べられていることが多い気がします。よほどおいしいのですね。

 実りといえば、田んぼには稲穂が実っています。もし、お家が農家で刈りたての稲穂が手に入るのならば、稲穂でおやつを作ってみましょう。とっても調理は簡単。稲穂を火の上であぶるだけです。近過ぎると燃えてしまうし、遠過ぎると焼けません。火との距離が難しいですが、うまくあぶれると、パチパチと音を立てて稲穂についたもみ殻から白いポップコーンのようなものが顔を出します。

稲穂をあぶってポップライスを作る子どもたち

 これは、ポップコーンならぬポップライスです。火加減が難しいので、2、3個ポップしたら食べてみてください。素朴でどこか懐かしい味がしませんか? 稲穂から外してフライパンでフタをしていってもポップライスになります。たくさん食べてみたい方はそちらを試してみてください。

 秋は、食欲の秋とも言いますよね。野山にも実りの多いこの季節、親子で散策しながら探して、拾って、そして食してみませんか。

稲穂の先の白くなった部分がポップライス

 【注意】自然のものを採取する際は味見程度の分量とし、必ず管理者・所有者の許可を得てから行ってください。

 ■とちぎ子ども自然体験活動ネットワーク登録団体のイベント情報

 平和の気球でハロウィーンGO!

 ・日時…29日

 ・参加費…無料

 ・会場…矢板市長峰公園

 (イベント申し込み、詳細は青少年リーダー育成・子育て生涯学習支援ソフィア館へ。(問)高瀬さん090・3401・1755)

 秋のキッズネイチャーフェス2022

 ・日時…11月6日

 ・参加費…無料(事前申し込み不要)

 ・会場…宇都宮市みずほの自然の森公園里山ミュージアム周辺

 (イベント詳細はとちぎ子ども自然体験活動ネットワークホームページへ。(問)遠藤さん090・8500・0348)

◆遠藤隼(えんどう・じゅん)さん◆1984年、宇都宮市生まれ。大学卒業後、静岡県にある自然学校職員として子どもキャンプやエコツアーを指導。2012年8月から1年以上かけて、自転車でユーラシア大陸横断・南米縦断をした。2021年度宇都宮大大学院修了、研究テーマは「里山での幼児向け体験型環境教育の実践と評価」。現在はサシバの里自然学校校長、作新学院大女子短大部非常勤講師。