国際医療福祉大・新井田副学長に聞く

 新型コロナウイルスの影響で多くの学校が臨時休校となって約1週間。子どもたちが家で過ごす時間が増えると、心配になるのがスマートフォンや携帯型ゲーム機の長時間利用による近視。小児眼科が専門の国際医療福祉大学の新井田孝裕(にいだたかひろ)副学長は、予防法の一つに「外遊び」を挙げる。太陽光が近視の進行を抑制するという。

新井田孝裕副学長

 2019年度の学校保健統計速報によると、県内小中学生のうち裸眼視力1・0未満の割合は小学生で33・2%、中学生で59・4%。平成以降で最も高く、視力低下が深刻になっている。

 新井田副学長によると、子どもの近視は眼球の奥行きの長さ(眼軸長)が伸び、焦点が網膜に合わなくなることが主な原因。発症には遺伝的素因と環境因子の両方が関わっており、環境因子としては(1)近くを長時間見る「近業」が多い(2)屋外活動の減少(3)睡眠時の照明-などが挙げられる。

 最近の研究で近視の進行を抑制することが明らかになったのは、太陽光に含まれる「バイオレット光」。バイオレット光は太陽光には豊富に含まれているが、室内光の蛍光灯や発光ダイオード(LED)ライトにはほとんど含まれていない。臨時休校中は屋外活動をすることがなかなか難しいが、庭で遊ばせるなど外遊びの時間を意識的に取りたい。

 画面が小さいスマホや携帯型ゲーム機は近づいて見ることが多く、「近業」になりがち。長時間利用はピントを調節する毛様体筋を酷使するため、近視が進んだり、片目が内側に寄る「急性内斜視」になったりする可能性があるという。子どもがテレビを見るようになったことで近視の割合が急増したという研究報告もある。スマホなどは長時間連続使用しないことが大切だ。

 睡眠時の照明も近視の進行に関わっている。常夜灯など弱い光でも網膜を刺激し、眼軸長が伸びてしまう。部屋を完全に真っ暗にして眠ることを試みよう。

 すでに近視で眼鏡を装用している子どもたちにも注意点がある。近視になると近づいて見る癖が付く。眼鏡装用後もその癖が残っていると、毛様体筋の緊張を招き、近視がさらに進行する。新井田副学長は「軽い近視なら眼鏡の装用は授業中だけにして、近業時は眼鏡を外す。面倒がって眼鏡を掛けっぱなしにするのであれば、少なくても視距離30センチを保つように心掛けてほしい」と話している。

 消しゴムのかすに気付かない、テレビに近づいて見る、目つきが悪くなる、横目で見るなどの症状があったら近視の可能性があるので受診が必要だ。