栃木労働局は28日、今春卒業した県内高校生の3月末時点の就職内定状況を発表した。内定率は99・2%で前年同月を0・4ポイント下回ったが依然、高水準が続いている。求人倍率は求人数が増え、求職者が減ったため0・63ポイント増の2・87倍となり、比較可能な1998年以降、最高を更新した。一方、大卒の内定率は1・1ポイント増の96・7%で4年ぶりに増加した。短大卒は0・1ポイント減の95・6%だった。

 同局の奥村英輝(おくむらひでき)局長は「(高校生の)内定率は9年連続で99%を超えた。求人数も伸びていて、企業の採用意欲の高まりが見られる」と説明した。

 高卒求人数は14・8%増の7944人だった。求人数を事業者の規模別で見ると、29人以下が21・1%増、30~99人が15・1%増、100~299人が15・2%増と、小規模事業者を中心に求人が大きく伸びた。これに対し、1千人以上は5・7%減少した。産業別で、求人数が最も多かったのは製造業で21・7%増の3119人。伸び率が最大だったのは宿泊業・飲食サービス業の26・8%増だった。

 一方、高卒の求職者数は10・4%減の2767人と4年連続の減少となった。卒業者の減少や進学希望者が増えていることが要因という。

 大卒の内定率が増加に転じたのは、新型コロナウイルス禍で新卒採用を控えていた企業が採用を再開する動きが出てきたことなどが要因とみられる。