自宅で佳代さん(奥)とバイオリンで遊ぶ2歳頃の大さん

 国内外で活躍するチェリストの宮田大(みやただい)さん(34)。母宮田佳代(かよ)さん(64)に子育てを振り返ってもらった。

チェロを弾く3歳頃の大さん

 私がバイオリン教師をしている影響で、息子は2歳からバイオリンで遊び始めました。職業柄、音楽をさせることは親にも子にもプレッシャーになりますが、無理強いせず生活の一部として楽器があり、特別なことという感覚はなかったと思います。練習は私の膝の上に乗って弾くまねをしたりと、遊びの道具の一つがバイオリンでした。

 ところが男の子で落ち着きがなく、立って練習するバイオリンは難しいと判断し、3歳になった頃に座って練習できるチェロに変更しました。わんぱくな子で、何時間も練習できるタイプではないのでしっかり遊ばせてから練習をさせていました。「やろう」とひらめいた時にすぐにできるよう、チェロはいつもケースから出してテレビの前に置いていました。本人も徐々に「(練習を)やらないといけない」と思うようになりました。

 本人の気分が乗らない時もあります。そういう時はこちらがのせ上手になって、遊びの延長になるよう導きました。庭で弾いてみたり、テーブルの上に乗って舞台のようにしてみたり、環境を整えました。また、練習回数が必要な時は大好なセサミストリートの人形、ぬいぐるみを弾くたびに一つ並べたり、表を作って記入したり、とにかく並べる喜びと回数を増やしていきました。

自宅で佳代さん(奥)とバイオリンで遊ぶ2歳頃の大さん

 音楽は数をこなさないと仕上がりません。毎日歯磨きをするのと同様に練習を積み重ねることを大切にしました。忍耐力、集中力など、数をこなすことで身に付いていきました。その子のためを思い協力するのは親の役目ですね。

 時間感覚を身に付ける、何時になったらやる、時間に遅れないことは大事なことです。オーケストラでは一斉に練習が始まり、コンサートでも時間が決まっています。当たり前のことですが、時間には厳しく言ってきました。おかげで短い時間でも計画し、行動し、切り替えができるようになりました。練習まで時間がなくても、友達としっかり遊んで帰ってきました。計画性も身に付きます。

 また、守るべきことであいさつをすることがあります。音楽は特に仲間が必要です。多くの方とコミュニケーションを取ることは、音楽に携わる者にとって大変重要です。自分から発信、行動することが大切ですね。