厚生労働省が31日発表した6月の有効求人倍率(季節調整値)は1・11倍となり、前月(1・20倍)から0・09ポイント落ち込んだ。6カ月連続で下落し、2014年10月以来5年8カ月ぶりの低水準。新型コロナウイルス感染拡大に伴う雇用情勢の悪化の影響が続いた。

 加藤勝信厚労相は記者会見で、有効求人倍率の動向に関し「厳しさが見られる」と述べた。

 総務省が31日発表した6月の完全失業率(季節調整値)は2・8%となり、前月より0・1ポイント改善した。7カ月ぶりの改善となる。総務省の担当者は「引き続き新型コロナの影響を注視したい」と話している。

 有効求人倍率は求職者1人当たりの求人数を示す。6月の地域別有効求人倍率は、北海道と岩手県を除いた45都府県で前月より下落した。5月は1倍を切ったのは7道県だったが、6月は埼玉、千葉、山梨、静岡が加わり11に拡大。最も高かったのは福井県の1・53倍で、最も低いのは沖縄県の0・68倍だった。

 男女別失業率は、男性が前月比0・1ポイント減の3・1%、女性は横ばいの2・5%。完全失業者は前年同月比33万人増の195万人だった。休業者は236万人だった。

 新規求職申込件数は43万4634件となり、前月からの増加率は18・2%増と比較可能な1963年以降で最大。担当者は「コロナ禍で失業した人が6月から求職に動き始めて増えた可能性がある」と分析した。

 厚労省の発表によると、6月の新規求人は主要産業の合計で前年同月比18・3%減。理美容業など外出自粛で打撃を受けた産業への影響が依然として顕著になっている。

 【ズーム】有効求人倍率 ハローワークで仕事を探す人1人に対し、企業の求人が幾つあるのかを示す。1倍を超すと求人が求職者よりも多いことになり、倍率が高いほど職を得やすい状況とされる。高度成長期後半の1973年11月の1・93倍が過去最高。リーマン・ショック後の2009年8月に0・42倍まで落ち込んだ。最近は新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、低下が続く。