「週に1度、習い事の送迎を頼みたい」「仕事で遅くなるので、1時間預かってくれないか」-。こんな子育て世代の依頼に地元の人々が応えてくれるファミリーサポートセンター(ファミサポ)。県内では23市町(那須町は来春サービス開始予定)に設けられているが、実際にはどんなサポートが受けられるのだろう。

子どもの預かりはニーズが高い。手作りおもちゃで女児と遊ぶ「提供会員」の手塚さん(右)=下野市

 ファミサポは、おおむね小学校卒業までの子どもを持つ家族が「依頼会員」となり、子育て経験者などの有償ボランティアが「提供会員」「協力会員」などとなる。依頼会員が保育園・学童保育・習い事の送迎や子どもの預かりなどを申し込むと、センターが条件に合う提供会員を探し、支援につなげる。

 利用料は市町やサービス内容によって異なるが、1時間当たり数百円で、民間サービスと比べて安価。多子世帯や一人親世帯の利用料を補助する市町もある。

習い事の送迎も頼める。黒須さん夫妻は8年前から「提供会員」を続けている=下野市

 依頼・協力会員合わせて約300人が登録する下野市のファミサポは、昨年度、2810件のサポートを行った。活動件数は年々増加しており、アドバイザーの富田宏子(とみたひろこ)さんは「共働き家庭が多く、子育て世代の父母の多くが仕事をしている。子どもを定期的に任せられる知人が少ないのでは」と話す。

 同市川中子、ウェブデザイナー坂元美幸(さかもとみゆき)さん(40)は、通院や残業時に長女(4)の送迎や預かりを同市笹原、主婦手塚千恵子(てづかちえこ)さん(68)に頼んでいる。

 坂元さんの帰宅を待つ間、長女と手塚さんはお手製の果物のおもちゃで遊んだり、軽食を食べたりと本物の家族のよう。手塚さんは「赤ちゃんから小学生まで幅広い世代と触れ合い、地元にたくさん孫がいるみたい」と笑う。

 坂元さんの両親は他界し、夫の実家は県外。預け先に困っていた時にファミサポを知った。「仕事していると地域の方々と関わりにくい。ファミサポは地域を結ぶ存在」と坂元さん。

 同市石橋、黒須重光(くろすしげみつ)さん(68)と妻智子(ともこ)さん(64)は、ファミサポが開設された2011年から夫婦で活動している。習い事の送迎をサポートしている小学2年男児の母(43)は「子どもがぐずった時も広い心で受け止めてくれる」と信頼を置く。

 4人の子育てを経験した智子さんは「今のお母さんたちは働きながら子育てしていて大変。少しでも役に立ちたい」と話す。数少ない男性の支援者でもある重光さんは「地域のお祭りで顔を合わせると、子どもたちの成長を感じられてうれしい」と目を細める。

 同市ファミサポは「親が体調を崩してしまった時のお守り代わりに登録する家庭も多い。“地域のおじいちゃんおばあちゃん”と思って利用してほしい」と話している。