祐悟さんの幼少期を振り返る忠雄さん(右)と安子さん

 忠雄さん 私たちは、いいところは褒め、他人が言いにくいことをきちんと子どもに言う、そして子どもを規制するのではなく個性を出すことが親の役目だと考え、子育てしてきました。

 祐悟の中学生の時の将来の目標は作曲家。祐悟はやりたいことにいつも真っすぐでした。果たして作曲家としてやっていけるのか、心配事ではありましたが、子どもを信じ、可能性を最大限に生かす環境をつくろうと夫婦で決め、やれることは支援しました。子どもに才能があっても、環境がなければ開花しません。

 安子さん 私は自主性を重んじ、時間を守る、整理整頓をする、ルールを守るなど人として基本的なことさえ守れれば何をやってもいいという考えでした。

 子育てに正解はないし、私の子育てが全てOKだったとは思っておらず反省していることもあります。ピアノだけはがんじがらめにしてしまった。祐悟は「ここまで来られて感謝している」と言ってくれますが。

 忠雄さん 今の子育ては、親が子どもに構い過ぎています。子どもがどうなるか不安で、自分の枠にはめようとしたくなるのでしょう。でも、過保護は個性をつぶします。子どもが生き生きと自由に育つことが自立につながると思います。

家族旅行で長野県の蓼科湖を訪れた小学4年生ごろの祐悟さん(右から2番目)

 安子さん 子どもは親の姿を見て育ちます。親子で楽しむ体験をし、困った人がいれば手を差し伸べるなど、親が正しく充実した人生を送っていれば、子どもに伝わると思います。

 わが家は長い休みには家族で山や海へとキャンプに行き、最終目的地は夫の実家の福島でした。自然と接し、いろんな経験を一緒にしました。祖父母に会えることも楽しみにしていました。川越にいた頃は、私が作っていた畑へ子どもたちも連れて行き、無農薬野菜を一年中育てていましたね。

 私たちは訪問介護事業などの運営をしていますが、生きるために必要な力としてそこでも痛感するのがコミュニケーション能力です。身に付けさせるには、子どもを自由にさせて、たくさん遊ばせ、さらに部活などで人と接触を持って「人の力を借りる」ことを覚えることだと思います。

 忠雄さん 音楽があると人生が楽しくなります。人を癒やし、生活になくてはならないものです。今後も多くの人たちに癒やしの音楽を提供していってほしいと、祐悟にエールを送りたいです。

 

【もっと聞きたい!】

 祐悟さんの食事
 「何でも食べる子でした。私が看護師だったこともあり、食にはこだわっていました。畑で無農薬野菜を育て、必ず手作り。インスタントや冷凍食品は使いませんでした」(安子さん)

 高校時代のエピソード
 「レストランでのピアノ演奏のアルバイトを自分で探してきました。お店は高根沢町のレストランと宇都宮市八幡台にあったサンマルク。2店とももうありませんが、高校生にして既にファンもいたようですよ」(忠雄さん)