
下野新聞社は27日までに、県内の上場企業23社に対して新卒採用に関するアンケートを実施した。今春の採用実績と比較した2025年4月入社の採用方針は、「増やす」が11社で最も多く、21社を対象に行った前年の調査から2社増えた。事業拡大などに向け技術系を中心に人材確保に積極的な姿勢が浮かぶ一方、「年々採用が厳しくなっている」と答える企業もあり、少子化が進む中で人材獲得競争が激化している状況もうかがえる。
アンケートは4月上旬~中旬に実施し、今春の採用実績や来春の採用計画などを聞いた。23社のうち、東京鉄鋼は非公表で、SCAT(スキャット)は24、25年入社の新卒採用を行っていない。
「増やす」と答えたのはフライングガーデン、Mipox(マイポックス)、藤井産業など。理由についてグランディハウスは「事業拡大および将来を担う人材の確保」と回答し、デクセリアルズは「経営・事業戦略に沿った技術と人材の強化」とした。
「前年並み」は大日光・エンジニアリング、ナカニシなど8社で、「定期的な人材の確保」が主な理由に挙がった。一方、元気寿司は「採用人数を増やしたいが年々採用状況が厳しくなっており、前年同様の人数は確保したい」と説明した。
「増やしたい人材」(複数回答)について尋ねると、「大卒」が最多の10社、次いで「技術系」が8社だった。AeroEdge(エアロエッジ)は、大卒、技術系ともに回答。理由を「事業拡大に備え、専門性を持ったエンジニア候補者や現場の生産を担う人材を早期に確保するため」と説明。技術系と回答したタツミは「採用が非常に難しく採用できていないため」とした。
「採用で力を入れていること」(複数回答)については、「応募者数の拡大」が17社で最多。「学校との関係強化」が12社、「学生との早期からの接触」が11社と続いた。
前年の採用活動との変化を聞いた質問では、「インターンシップの実施時期の前倒し」(カワチ薬品)、「長期的な広報・募集活動の実施」(滝沢ハム)、「ユーチューブ広告の拡大」(レオン自動機)などの回答があった。