
栃木労働局(奥村英輝(おくむらひでき)局長)は31日、来春卒業する県内高校生の9月末時点の就職内定状況を発表した。内定率は69・6%と前年同月より3・2ポイント増え、求人倍率は0・25ポイント増の2・88倍となった。いずれも記録が残る1998年以降で最高を更新した。人手不足が進む中、奥村局長は「企業が求人を多く出しており、生徒の選択肢も増えてきている」と説明した。
求人数は9・8%増の8267人だった。新型コロナウイルス禍に直面した20年9月末は求人数が6343人に落ち込んだが、21年以降は増加が続いている。
産業別に見ると、運輸業・郵便業は28・3%増と、大量求人を出した企業があったことなどから大きく伸びた。宿泊業・飲食サービス業も22・5%の増加。インバウンド(訪日客)の回復もあり、人材を積極的に採用しようという事業者の姿勢がうかがえるという。
この他、卸売業・小売業が14・1%増、建設業が12・9%増だった。
事業者の規模別では、最も伸びたのは千人以上で34・7%増。次いで、300~499人は26・1%増となった。一方、500~999人は5・5%の減少だった。一部、事業者で新型コロナ関連の業務がなくなったことが影響した。
奥村局長は「全体的に人手不足感があることに加え、会社の将来を担う若い人材の需要が高まっている」と説明した。
一方、求職者は0・3%増の2875人だった。就職の選考結果などを受け、今後、進学を選ぶ生徒も出てくる可能性があるという。