
栃木労働局は30日、8月の県内有効求人倍率(季節調整値)が前月と同じ1・18倍だったと発表した。有効求人数、有効求職者数とも大きな変動がなかった。
全国平均は0・03ポイント増の1・32倍で、本県の順位は前月同様37位となった。
季節的要因を除いた原数値では、雇用の先行指標となる県内の新規求人数が1万3627人と前年同月より8・9%増えた。同局の藤浪竜哉(ふじなみたつや)局長は「求人は引き続き堅調に推移している。物価高や円安などの影響は現段階では表れていないが、今後の動向を注視する必要がある」と説明した。
新規求人数を業種別で見ると、製造業が32・7%増加し、1年6カ月連続で前年を上回った。半導体不足で生産を一時停止していた自動車部品製造業者や、住宅需要の高まりを受けた木材関連事業者などから求人が多く出されたという。宿泊業も、秋の行楽シーズンや「いちご一会とちぎ国体・とちぎ大会」に伴う受け入れなどの対応で求人を増やした事業所が見られた。
新規求職者数は1・7%増の6283人。増加傾向は緩やかになっているという。その上で、藤浪局長は「物価高により、求職者が現在よりも良い条件の仕事を探す動きが出てくる可能性がある」と述べた。