子育てについて振り返る秀一さん(左)とみどりさん

 みどりさん 小学6年生になると、雅也(まさや)は中学受験のため学習塾に通い始めました。くじ引きで惜しくも不合格になってしまいましたが、友達とも仲が良く切磋琢磨(せっさたくま)し合っていたので、高校卒業まで7年間通っていました。今でも当時の友達とは会っているようです。

 雅也は絵など自分の作品を塾にも持ち込んで、先生に披露していました。先生たちは雅也の作品をきちんと評価してくれて個性を伸ばしてくれましたし、さらに勉強への気持ちを高めていただきました。

家族と上野動物園を訪れた9歳の雅也さん(左)

 秀一さん 中学や高校時代の雅也は興味のあることを追求し、どんどん吸収していくようになりました。特にパソコンのMacは喜んで遊んでいて、覚えるのが早いので私は雅也から使い方を教わり仕事に生かしていました。

 幼い頃からそうでしたが、会話は常に対等で大人同士の目線で話し合っていました。雅也は毎日私が帰宅するのを待っていて、学校での出来事や作品のこと、パソコンで覚えたことなどを一生懸命教えてくれました。仕事終わりで疲れていましたが、熱心に話してくれるので受け止める側も真剣に答えなくてはなりません。

 また一生懸命手掛けた作品に対していいかげんに答えてしまうと、成長につながりません。いいと思ったら「ここが良かった」と褒める一方、修正すべき点を指摘したり、より良いものにするにはどうすればいいか一緒に考えたりしました。

 また私自身も仕事での成功やミスなどを素直に話していました。人間関係のつくり方や失敗した後のフォローの手順を明かすことで、社会に出て必要となるコミュニケーション力を培ってほしいという思いもありました。雅也はそういった話にもどんどん付いてきてくれるので、とても楽しい時間でした。

 みどりさん 高校では美術部に入り、顧問の先生が熱心に指導してくれました。大学でも美術の道に進むのかなと思いましたが、文学や哲学に進んだので少し驚きました。大学院もっと聞きたい生時代に自らフランス政府の奨学金に申し込みフランスへ留学した時は、強くなったなと感じました。昔から誰かに教える・説明するのが上手だったので、教授という職業は向いているのではないでしょうか。

 秀一さん 今でも精力的に活動していますが、幼い頃から好きなことをやって誰かに見てもらうということをずっと続けてきたので、そういった姿勢が現在にもつながっているのだと思います。