昨年、県内各地に甚大な被害を及ぼした台風19号のように、ここ数年は地震や風水害、竜巻などの災害が毎年のように発生している。災害時は高齢者や障害者の早期避難が呼び掛けられるが、自力での移動が困難な小さい子どもを持つ家庭もいざという時のための備えが重要だ。NPO法人県防災士会の稲葉茂(いなばしげる)理事長に、親子で楽しみながら取り組める防災対策のポイントや防災グッズの作り方について教えてもらった。

身近な物でグッズ作りも

大小2つの段ボールを組み合わせるだけで簡易トイレに変身する 

 防災対策を講じる上で、稲葉さんは「真っ先に取り組むべきなのは自宅の周りでどんな災害が起こるのか、“敵”を知ること」と強調する。市町が発行する土砂災害や水害の発生危険度を示したハザードマップや、市町のホームページ(HP)などを活用して、自分が住む街でこれまでに発生した災害を調べる。県内はここ数年、風水害や地震などの被害が目立つが、活火山の影響を受ける場所や竜巻が発生した地域もあるためさまざまな情報を親子で集めよう。

新聞紙を折りたたんで食品用ラップを巻けばけがをした時の添え木代わりになる

 わが家の“敵”が分かったら、事前にできる対策や実際に災害が発生した時の対処法を話し合う。例えば地震なら家屋の損壊や家具の転倒によるけがが最も多いので、家の中を点検して冷蔵庫や食器棚など倒れる可能性のある家具を固定したり転倒防止グッズを取り付けたりするのも良い。

 風水害や土砂災害の発生の恐れがある時は、明るいうちに早めの避難が重要だ。しかし稲葉さんは「警報が発表されても『ハザードマップで指定されていない』『ここまでは被害が出ないだろう』と思い込んでしまい、結果的に逃げ遅れることもある」と説明する。

ペットボトルや牛乳パックを使った食器

 まずは安全に避難所へ行けるルートはどれか、高台などより安全な避難所はどこかを日頃から話し合っておく。万が一逃げ遅れて自宅に待機する場合も「より高い階にいる」「斜面側は避ける」といった工夫が生死を分けることもあるので家族で確認を。

 楽しく防災を学びたい人にお勧めなのが、身近な物を使った防災グッズ作り。ペットボトルを切るだけで食事用の皿やコップに、牛乳パックの角部分を切り取るとスプーンに早変わり。新聞紙はスリッパになるので、ちょっとした工夫で工作しながら防災グッズをそろえて休日や夏休みに使ってみよう。

 稲葉さんは「防災はオーダーメードと考え、それぞれの家族に合った対策に取り組んでほしい」と話した。