多くの人が悩んだことがあるだろうニキビ。大したことないだろうと自己流で対応しがちだが、国際医療福祉大病院皮膚科の大塚勤(おおつかつとむ)部長は「初期症状から医療機関で治療することが大切」と話す。ニキビ治療について聞いた。11月12日は皮膚の日。

大塚勤部長

 ニキビは、毛穴が詰まり、常在菌のアクネ菌が毛穴の中で増殖して起きる炎症。原因は完全には不明だが、(1)思春期の活発な性ホルモンの分泌(2)肌を不潔にしている(3)毛穴が詰まりやすい素因がある-ことがリスク要因となるという。好発部位は顔、胸の真ん中、肩、背中など。

 症状は進行の程度によって異なる。最初は皮脂が毛穴に詰まった面皰(めんぽう)という状態で、白ニキビとも言われる。毛穴に詰まった皮脂が酸化し、黒っぽく見えると黒ニキビ。炎症が進行し、赤くなっている状態が赤ニキビ。赤ニキビを繰り返したり、悪化して化膿(かのう)したりすると、治すことのできないニキビ痕になってしまう。「赤ニキビになる前に受診することが大切」だ。

 大塚部長は「化粧品や医薬部外品は治療薬ではない。病院で治療しないとニキビは治らない」と強調する。日本皮膚科学会が策定した治療のガイドラインは、標準治療として抗生物質の飲み薬と、毛穴の詰まりを改善する塗り薬を強く推奨している。保険が適用されるため、自己負担は基本的に3割。

 面皰の状態ならば塗り薬だけで治療できるが、最低1年間は続ける必要がある。飲み薬は赤ニキビがある場合に使う。服用期間は1~3カ月だが、治療を始めると一見よくなるため、自己判断で中止してしまいがち。そうすると耐性菌が増え、治療再開時に同じ薬の効果がなくなるので、治療は必ず継続する。

 ニキビを隠そうとファンデーションやコンシーラーなどを塗り重ねるのは、毛穴をふさぎ、悪化させる原因になるので厳禁。「化粧品はニキビができにくいことが確認されているノンコメドジェニックのものを使った方がいい」

 ニキビだと自己判断するのも危険。ニキビの重症型で、しこりになる集簇(しゅうぞく)性ざ瘡(そう)や、繰り返し痛みのあるおできができる化膿性汗腺炎などの場合もまれにあり、治療法も普通のニキビ治療とは異なる。

 思春期から20代の多感な時期に多いニキビは「心理的な影響が大きく、自信喪失したり、QOL(生活の質)を低下させたり、いじめに遭うこともある」と大塚部長。「そうならないためにも、早く受診して治療を。治療を続ければ確実によくなる」と呼び掛ける。