眠ったままおしっこをしてしまうおねしょ(夜尿症)。5歳過ぎるとほとんどしなくなるが、中には小学生になってからも続く子も。自治医大とちぎ子ども医療センター小児泌尿器科の中井秀郎(なかいひでお)教授に治療法などについて教えてもらった。

 

 正常な人の場合、熟睡時には排尿しない仕組みで尿量も減る。熟睡中でも排尿してしまうおねしょは生まれつきの体質が原因となっていることが多く、遺伝もあるという。睡眠の質が悪くて熟睡できていない場合も強く影響する。

 中井教授は「多くは治療しなくても治りますが、おねしょが長引くと子どものストレスが強くなり、睡眠の質が悪くなって悪循環に陥ることもあります」と話す。

 保育園や幼稚園で宿泊保育などが始まる5歳児クラス頃になると、子どもも意識し始めるかもしれない。おねしょの状況を数カ月記録し、回数や尿量が減っていれば様子見でいいという。

 治療は子ども本人の意志がないと難しい。まずは自然治癒を目指して生活習慣を見直してみよう。質のいい睡眠にするために就寝前のゲームやスマートフォンは避け、排尿してから寝る。運動は水分や食事の摂取量が増えて尿量増加につながるので、午後6時以降は控える。規則正しい排便も重要。便秘でうんちがおなかにたまっていると、膀胱(ぼうこう)が圧迫されて、おねしょをしやすくなる。

 

 効果が薄いのは、就寝中の子どもを起こしてトイレへ行かせること。「苦労して起こすなら、やらない方がいい」(中井教授)そうだ。

 5歳で布団がびっしょりぬれるようなおねしょを毎晩している場合や、小学生で月2回以上おねしょをしている場合が医療機関へ相談する目安。積極的な治療を始める時期は、小学2、3年生頃から。

 主な治療としては、生活指導のほか、夜間の尿量を減らす抗利尿ホルモン薬の内服、排尿するとセンサーでアラームが鳴って本人を目覚めさせる行動療法「アラーム療法」がある。再発率は投薬が3~4割、アラーム療法が約2割だという。

 小学生になってもおねしょが続くと、親は「うちだけ?」と不安になるかもしれないが、有症率は7歳児で約10%、10歳児でも約3%。クラスに1人ほどの割合で、珍しいことではない。

 中井教授は「おねしょは体質で、子どものせいではありません。ただでさえおねしょをする子は自尊心が低くなりやすい傾向があります。叱責は子どものストレスになるだけ。絶対に叱らないで、前向きな生活習慣の改善を」と呼び掛けている。