第1部

「栃木県の防災対策等について」

    講師 栃木県県民生活部危機管理課 課長 北條俊明さん

第2部

「防災士の役割+身近でできる防災対策」

    講師 NPO法人栃木県防災士会 理事長 稲葉 茂さん

防災・減災に必要なのは、県民一人一人の防災意識

 開催3年目を迎えた「とちぎ防災マスター育成講座」の第1回講義が、10月20日(土)、下野新聞社で行われました。今年も、県内各市町から幅広い年齢層の受講生約40名が参加。会場を見渡すと女性の姿も多く、初回とあって皆さん少し緊張した様子です。

 

 13時40分から始まった第1部の講義は、栃木県県民生活部危機管理課の北條課長による「栃木県の防災対策等について」。「栃木県は他県よりも災害が少ないと言われています。それでも、最近は昔と比べて豪雨が多いと感じませんか?」との問いかけから講義がスタートしました。「いつどこで災害が起きてもおかしくないと考えて、災害に備えてほしい」と強調したのは、栃木県の防災施策の基本となる「災害に強いとちぎづくり条例」に基本理念として記されている「自助」「互助」「共助」「公助」の捉え方と、防災訓練の重要性です。特に災害発生時に命を守るために大切なのは、自らの身を守る「自助」と、隣近所が助け合う「互助」であること、さらに「訓練でできないことは災害時にはできないと考え、少しでも触れておくことが重要です」と防災訓練への参加を強く促しました。

 

 続いて行われた14時40分からの第2部は、毎年好評を博しているNPO法人栃木県防災士会の稲葉理事長による実技を交えた講義「防災士の役割+身近でできる防災対策」。座学では、「我が国になぜ災害が多いのか」をテーマに日本の気象や地形の特性をわかりやすく説明しました。稲葉理事長は、寺田寅彦氏の言葉「数千年来の差異化の試練によって日本国民特有のいろいろな国民性のすぐれた諸相が作り上げられた【天災と国防より】」を紹介。災害が多い日本だからこそさまざまな工夫をして互いに助け合う国民性が培われたとの興味深い自説を披露しました。また、実技ではいざという時に役立つ防災グッズの作り方を紹介。参加者たちは、新聞紙で作るスリッパや、レジ袋で作る三角巾、ビニールのゴミ袋で作る防災着・レインコートを実際に作って使い心地を確かめました。最後に稲葉理事長が取り出したのは、少し小さめの段ボール箱。「災害時にはとても役立つものです。私もまだ使用したことはありませんが、ぜひ覚えておいてください」と、簡易トイレの作り方を伝授しました。

 

講師インタビュー

栃木県県民生活部危機管理課 課長 北條俊明さん

 

 講義の最後に「災害に関することは、やりすぎるということはありません。いつ自分の身に災害が降りかかるかわからないという危機意識を常に頭に置いて学び続け、いざという時に行動を起こせる人になってください」と話しました。県民世論調査を見ると、県民の防災意識は毎年1〜2%くらい上がってきています。私たちはあらゆる機械を捉えて、この数字をもっと上げていかなければならないと考えています。県民の命を守るために、災害の恐ろしさと自助・互助の重要性を伝え、一歩ずつ前進していきます。

 

受講者インタビュー

 

上三川町 石田地区連合会の皆さん

会長 大島 昇さん(右から二人目)

 私たちが住んでいる石田地区では、4つの自治会による連合会を組織して、地域貢献活動に取り組んでいます。2月に開催されたシンポジウム「防災・減災を考える」に参加したことがきっかけになり、7月には各自治会の代表者4名が作新学院大学の防災士研修講座を受講。学ぶことが多くたいへんでしたが、全員が資格取得試験に合格しました。地域を災害から守るためには、常に新たな情報を得て学び続けなければなりません。今回の防災マスター育成講座で、災害や減災についてより深い知識が得られるものと期待しています。