栃木労働局は30日、7月の県内有効求人倍率(季節調整値)が前月から0・02ポイント増の1・18倍となったと発表した。2カ月連続での上昇となった。有効求人数が0・5%増加した一方で、有効求職者が0・9%減少したことが要因。同局の藤浪竜哉(ふじなみたつや)局長は雇用情勢について「一部に厳しさが残るものの、持ち直しの動きが広がりつつある」との見解を示した。

 全国平均は0・02ポイント増の1・29倍で、本県の順位は一つ上がって37位となった。本県の有効求人数は3万9259人、有効求職者数は3万4539人だった。

 季節的要因を除いた原数値では、雇用の先行指標となる県内の新規求人数が前年同月比10・5%増の1万3446人。新規求職者数は2・9%減の5863人。

 業種別では宿泊業が46・5%増加した。行動制限のない夏休みや秋の行楽シーズンの集客を見込み、旅館やホテルなどから求人が多く出された。飲食業も、少人数での利用増加などに伴い、18・2%増えた。製造業は13・0%増で、1年5カ月連続で前年を上回った。円安で輸出が好調なゴム製品製造事業所や、観光客の需要増を見込んだ土産用菓子製造などの求人が増えているという。

 今後の見通しについて藤浪局長は「8月は新型コロナウイルスの感染者が増加し、飲食業などへの影響が懸念される。資材高などの影響も含め注意深く見ていく必要がある」と述べた。

7カ月連続で全国も改善 宿泊・飲食に人手

 厚生労働省が30日発表した7月の有効求人倍率(季節調整値)は、前月比0・02ポイント上昇の1・29倍となり、7カ月連続で改善した。新型コロナウイルスの流行「第7波」に入ったが、3年ぶりに行動制限がない夏休みで、宿泊・飲食業を中心に人手確保の動きが強まった。

 総務省が同日発表した7月の完全失業率(季節調整値)は前月と同じ2・6%で、2カ月連続で横ばいだった。男女別で見ると、男性が前月比0・1ポイント悪化の2・8%、女性は0・2ポイント改善の2・3%。完全失業者数は前年同月比17万人減の176万人だった。