
下野新聞社の会員制組織「しもつけ21フォーラム」11月例会は8日、宇都宮市内で行われ、東京五輪柔道男子60キロ級金メダリストの高藤直寿(たかとうなおひさ)氏(28)が「悲願の金、そして…」と題し、インタビュー形式で栄光までの道のりや今後の目標、柔道家としてのビジョンなどを語った。
2016年リオデジャネイロ五輪の銅メダルの雪辱を果たした高藤氏。東京五輪後はテレビ出演や講演会などメディア露出も増え「銅メダルと金メダルではこんなに違うのかと感じている」と話し、「テレビなどを見て柔道を始める子供たちが増えてくれるといい」と競技の裾野が広がることを期待した。
柔道を始めて3カ月の小学1年時に初めて出場した大会で準優勝したエピソードでは「1回戦負けも2位も同じ、負けは負け。悔しさが大きくて、また練習を頑張れた」と、当時の気持ちが今の原点になっていることを明かした。
リオ五輪は「人生で一番悔しかった」と回顧。「リオがあったから落ち着いて試合ができた」という東京五輪の各試合の場面を振り返り、金メダル第1号となったことに「皆さんに感動や勇気を与えられたならよかった」と笑顔を見せた。
今後は「パリ五輪で連覇を目指す」と改めて宣言。柔道家として「柔道が注目されるように柔道界を盛り上げていきたい」と気持ちを新たにしていた。
下野市(旧国分寺町)出身。東海大2年時の13年に世界選手権初優勝。五輪60キロ級金メダルは04年アテネ大会の野村忠宏(のむらただひろ)氏以来。パーク24所属。