「リアルな沖縄戦」描く 映画「島守の塔」 五十嵐監督が講演

 下野新聞社の会員制組織「しもつけ21フォーラム」の6月例会が21日、宇都宮市内で開かれ、映画「島守の塔」の五十嵐匠(いがらししょう)監督が講演した。「映画『島守の塔』完成に向かって」と題し、撮影に懸ける思いや、舞台裏を熱く語った。 映画は太平洋戦争末期に沖縄県警察部長を務めた宇都宮市出身の荒井退造(あらいたいぞう)と、荒井と共に県民の救済に尽力した沖縄県知事島田叡(しまだあきら)らの生きざまを描く。 同作の製作を五十嵐監督は「過去の作品中、最も大変」と語る。何度も現地に足を運び、繰り返し脚本を書き直す中で「初めてリアルな沖縄戦を描いた映画となる」と評した。 荒井と島田の人柄や功績をエピソードを交えて紹介するとともに、沖縄県民の疎開の陰に「県職員と警察官の助けがあった」とも説明。「映画の主人公は島田と荒井だが、命を懸けて民衆を守り、亡くなった彼らの姿も描きたい」と意気込んだ。 講演では、約10分間のメイキング映像も披露した。五十嵐監督は「多くの協力してくれる人の思いを背負って作品を完成させたい」と締めくくった。 同作の撮影は2020年3月に始まったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で休止となった。今年10月以降の再開と、22年夏の全国公開を予定している。 五十嵐監督は1958年生まれ、青森県出身。フリーの映画監督として活動し、「SAWADA-カメラマン沢田教一の生と死」などを手掛けた。 フォーラムは新型コロナウイルスの感染防止に配慮して開催された。