厚生労働省が28日発表した3月の有効求人倍率(季節調整値)は1・39倍で、1・45倍だった前月と比べて0・06ポイント低下、3カ月連続の減少となった。1・39倍まで落ち込んだのは2016年9月以来、3年半ぶり。製造業や宿泊業・飲食サービス業などの新規求人が減り、新型コロナウイルスの感染拡大による休業や営業時間短縮、消費低迷の影響が顕著に出た。

 

 総務省が28日発表した3月の完全失業率(季節調整値)は前月比0・1ポイント上昇の2・5%で、2カ月ぶりに悪化。同省は「4月はさらに厳しくなる」との見通しを示した。全就業者数のうち、パートやアルバイトなど非正規労働者は2150万人となり、前年同月比で26万人減った。比較可能な14年1月以降で下落幅は過去最大。非正規労働者が雇用の調整弁とされている実態が浮かんだ。

 新たに受け付けた求職者と求人数の比率を示す3月の新規求人倍率(季節調整値)は感染拡大の影響で求人数以上に求職者が減ったため前月比で0・04ポイント増加し、2・26倍となった。3月の新規求人は前年同月比で12・1%減少。業種別では製造業22・8%減、宿泊業・飲食サービス業19・9%減だった。

 全就業者数は前年同月と比べて13万人増の6700万人で、87カ月連続で増えたものの、増加幅は3カ月連続で減少。業種別にみると、製造業24万人、宿泊業・飲食サービス業14万人それぞれ減った。完全失業者数は前年同月比で2万人増の176万人。求職理由別では「勤め先や事業の都合による離職」が4万人増えた一方で「自発的な離職」は8万人減少だった。

 厚労省はコロナ感染拡大の影響に加え、今年1月から求人票の記載項目が増えて募集を控える企業があることも求人倍率低下の要因と指摘。求人票の見直しの影響を除いた倍率は、2月は1・52~1・53倍、3月は1・51倍と試算する。

 厚労省によると、27日時点で新型コロナ関連の解雇や雇い止めは3391人に達した。

はんこ見直し電子署名活用 規制改革会議も議論

 政府の規制改革推進会議は28日、行政への申請手続きで押印に代えて電子署名の利用を促進したり、民間同士の契約を書面ではなくオンラインでできるよう見直したりする方向で議論を始めた。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、役所の窓口に人が集まって感染リスクが高まるのを防ぎ、テレワーク推進の障害を取り除く狙いがある。

 安倍晋三首相が27日の経済財政諮問会議で、規制や慣行の見直しに向けて、緊急の対応措置をまとめるように規制改革会議に指示していた。会議では、行政機関の本人確認や民間の契約に印鑑を使う慣習をやめて、暗号化技術を活用した電子署名で代替することなどが議題となった。

 会議終了後、記者会見した小林喜光(こばやし・よしみつ)議長は「長い間の課題だったが、新型コロナ感染症をきっかけに強力に推進しようと意見が一致した」と強調した。