農業盛んな栃木に期待

テーブルいっぱいに並べられた栃木の名産品を前に鈴木農水大臣(右)にインタビューするU字工事=農林水産大臣室
テーブルいっぱいに並べられた栃木の名産品を前に鈴木農水大臣(右)にインタビューするU字工事=農林水産大臣室

特命記者・U字工事が、鈴木憲和農林水産大臣と福田富一知事を取材。新計画の柱や地産地消、食を通じた健康づくりと第21回食育推進全国大会inとちぎへの抱負を聞きました。

福田

初めまして、よろしくお願いします!きょうは下野新聞の特命記者として食育について直撃します。

益子

栃木県の名産品をこんなにたくさん用意していただき、部屋に入った途端に驚きました。うれしいです。

福田

早速ですが、新しく始まる「第5次食育推進基本計画」について伺います。これまでの基本計画との違いは何ですか。

鈴木農相

今回は特に三つの柱を強調しています。一つ目は「学校」での学びです。栄養教諭の先生たちに活躍していただき、給食を食べ農への関心を高める場にします。二つ目は、特に若い世代や大学生、これから子育てをする層を中心とした「大人の食育」です。日常の生活の中に「食育」を自然に取り入れられるようにします。例えば職場で健康増進につながる事業を推進したり、企業には新商品・サービスの開発を促したりします。
 そして三つ目が、都市部に住む方々と農林水産業との「距離を縮めること」です。農山漁村での作業体験や宿泊体験など全国の体験活動情報を取りまとめ、誰もが参加しやすい仕組みを作ります。

益子

学校での食育、具体的にはどう進めるのですか。

鈴木農相

給食は単に昼食をとる時間ではなく、食や農について深く知る時間にします。栄養教諭の先生たちに活躍していただき、その専門性を生かして地産地消や食材の持つ栄養素、郷土食などおいしくて楽しく、将来にも役立つ給食の時間にしたいです。そして生産現場の実態を知る機会も設けたいです。

 

 先日、うれしい話を聞きました。小学5年生が学校の田んぼでコメを作り、収穫して残った稲わらでほうきまで作りました。その子どもに「自分で作ったコメは茶わん1杯いくらの価値がある?」と聞いたら、「1500円」と答えました。

 

 コメ作りの経験から、天候、虫などいろいろなことを考えられるようになり、農家の苦労と頑張りを知ることで、食べ物の本当の価値を肌で感じたのですね。

福田

1500円!育てて食べるまで経験すると価値の重みが分かるんですね。

益子

田舎に住んでいても田んぼ離れしている人が多いと聞く時代です。僕たちが子どものころは、田んぼの水回りや田植えの手伝いなどしたものです。

福田

益子君は田んぼを遊び場にしていたんだよね。

益子

稲刈りが終わった後の稲の切り株にゴルフボールを乗せてゴルフのまねをしたり、那須おろしの風を使ってたこ揚げをしたり…。田んぼは最高の遊び場でした。

益子

田んぼに育まれて大人になり今年は年男です。最近は健康維持のため食事に気を配るようになりました。第5次食育推進基本計画は大人の食育にも力を入れるそうですね。

鈴木農相

若い世代は忙しく、栄養バランスの偏りや朝食抜きなど食生活の乱れがあります。これは健康や仕事にも影響を与えかねません。

福田

大臣は朝食を必ず食べていますか。

鈴木農相

もちろんです。1年のほとんどは朝からご飯を食べています。ご飯じゃないとパフォーマンスが上がらない気がします。

福田

好きなおかずは何ですか。

鈴木農相

最近は、白いご飯、次に卵をかけて、最後に昆布のつくだ煮をのせる、という食べ方にはまっています。

益子

栃木のおコメもおいしいですよ。「うま過ぎてごめんね、ごめんね〜」。

鈴木農相

栃木のコメは本当においしいです。オリジナル品種「とちぎの星」は大嘗祭で献上米に選ばれましたし、宇都宮大学が開発した「ゆうだい21」は全国的に高い評価を得ていますね。それに栃木といえばイチゴ。おいしい品種が多く用途が多彩、「とちあいか」の評判はいいですよ。

福田

国内では、大勢の生産者が額に汗しておいしい農産物を作っています。国内産を上手にとり入れて健康に役立てたいです。

鈴木農相

その通りです。自国で収穫できるものを知り食べることは、国や故郷の風土を学ぶこと。生産者の顔が見えれば、大人になっても「あの地域の、あの人が作ったものを買おう」という気持ちにつながります。これが「地産地消」です。

 

 大人の消費者の皆さんに、改めて食や農に対する理解を深めていただき、健康的な食事をとって楽しい食の時間を過ごしていただくと同時に、食卓と生産現場の距離を縮めたいです。

 

 農林漁業体験機会の提供など生産者と消費者が直接つながる機会を増やしていきますので、首都圏に近い農業県でもある栃木県には期待していますよ。

「第21回食育推進全国大会 in とちぎ」のポスターを手に鈴木農水大臣(中央)と記念撮影するU字工事
「第21回食育推進全国大会 in とちぎ」のポスターを手に鈴木農水大臣(中央)と記念撮影するU字工事
益子

6月は食育月間ですね。6月6日は「第21回食育推進全国大会 in とちぎ 〜とちぎからつながる恵みの輪〜作って食べて学んで食育で未来を拓こう〜」が宇都宮市で開催されます。

鈴木農相

栃木で開催されることに感謝しています。栃木は農業、畜産業が盛んな地域なので生産者の思いが全国から集まった皆さんに伝わるといいですし、全国の素晴らしい取り組みを共有する場になることを期待しています。私も参加する予定で、栃木のおいしいものに出会えることを楽しみにしています。

福田

われわれも参加し良い大会になるよう盛り上げます。

鈴木農相

大会では、食育を題材にした新しい漫才を披露されるのですよね。

益子

追い込んできますね(笑)。

益子・福田

頑張ります!

益子

最後になりますが、読者の皆さんにメッセージをお願いします。

鈴木農相

「食べることには生きること」です。地域のいいものを朝昼晩バランスよくしっかり食べて、健康でいられるように食育活動に取り組んでいます。皆で食育の輪を広げていきましょう!そして一緒に全国大会を楽しみましょう。

編集後記

食や農林水産業を取り巻く状況が変化している今だから、食育が重要であることが分かりました。そして大臣の第21回食育推進全国大会inとちぎへの大きな期待を感じました。大臣は山形県産「10連けん玉」を披露してくださるなど気さくなお人柄で楽しい取材ができました。農水省の食堂は、一般にも開放され全国のおいしいものが食べられるとお聞きしたので、食育への理解をさらに深めるために利用したいと思います。(U字工事)