「食育」という言葉は広く知られるようになりましたが、「大切さは分かっているけれど難しそう」「何をすればいいのか分からない」と感じる方も多いのではないでしょうか。栃木県では、農政部農政課、保健福祉部健康長寿推進課、教育委員会事務局健康体育課が中心となり、「第5期栃木県食育推進計画(とちぎ食育元気プラン2026-2030)〜こどもから大人まで 食の未来を育む食育の推進〜」を策定し、現在、オールとちぎで食育を推進しています。食育について一緒に考えてみましょう。
2005年に制定された「食育基本法」では、食育を生きる上での基本であって、知育・徳育および体育の基礎となるべきものと位置付けています。また、さまざまな経験を通じて「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得し、健全な食生活を実践できる人間を育てることと定義しています。

第1期計画から一貫している基本理念は、「県民一人ひとりが、楽しく健全な食生活を実践することにより、食に対する感謝の気持ちを深め、心身の健康と豊かな人間性を育みます」です。
そして第5期計画の新たな取り組みとして重視されているのが「大人の食育」です。これは、若者から高齢者まで各世代の食や農への理解を深め、消費行動の変化を促す取り組みです。
県の調査によると、朝食欠食率は20〜30代で高く、野菜摂取量の目標値(350g)を摂取している割合は、20〜60代前半の女性で2割程度にとどまっています。特に次世代を担う若い世代で食への関心が低く、食生活の乱れが課題となっているため、企業・大学等での食育出前講座実施の支援や、企業の社員食堂における県産農産物の活用、健康配慮メニューの提供などを促進していきます。

具体的な基本目標を三つ掲げています。
食と農への理解を通じて豊かな心、人間性を育みます。
将来にわたって安定して食を支えていくために、生産から消費まで関わるさまざまな人たちの理解を深めるとともに、環境に配慮して作られた農産物や食品ロスなどへの関心を高めていきます。こうした取り組みを通して食べ物を大切にする心を養います。また、地域でとれた農産物を地域で消費する地産地消を推進するとともに、家庭・学校・地域が連携して「食を楽しむ機会」を確保し、学校給食等を通じて「地域の食文化」を次世代へ継承します。
食を通して県民一人ひとりの健康を目指します。
キーワードは「自然に健康になれる食環境づくり」です。本年度から、県民の良好な栄養・食生活の実践を支え、個人の行動改善を促す取り組みとして、新たな食環境づくりをスタートします。具体的には、健康・農・環境等の多様な分野の産学官等連携による「自然に健康になれるとちぎ食の環プロジェクト」を開始し、健康に関心の低い層も含む幅広い層の誰もが健康な食事や食品を選択できる環境づくりを市町や事業者とともに推進します。
また、県民の健康寿命の延伸を図るために、子どもから高齢者まで、栄養バランスのとれた食事や減塩・野菜摂取、適正体重維持等について普及啓発し、健康の維持・増進や生活習慣病予防、低栄養・フレイル予防に積極的に取り組みます。
食の安全と信頼性の確保や県民と協働した食育活動を推進します。
生産から消費までの各段階でそれぞれの工程を管理することで、食の安全を確保するとともに、対話や情報発信により消費者との相互理解の促進を図ります。あわせて、とちぎ食育応援団や食生活改善推進員協議会などの食育ボランティアと協働した食育活動を推進します。
また、本計画で新たに追加されたのが「災害時に備えた取組」です。災害の激甚化・頻発化に伴い、日頃からの家庭内備蓄や、乳幼児・高齢者・食物アレルギー等で配慮が必要な方等に配慮した備蓄の重要性を啓発していきます。
意外!農業県だけど…あまり食べない?
県民の野菜摂取 目標未満
栃木県は全国有数の農業県です。中でもイチゴは1968年以降、収穫量は全国第1位です。コメ、ニラ、トマト、アスパラガスなどの栽培も盛んで県内および首都圏に向けて出荷されています。
野菜は、ビタミンやミネラル、食物繊維を豊富に含み、健康の保持・増進に欠かせない食品です。野菜を十分に摂取することで、心血管疾患や脳卒中、糖尿病などの生活習慣病の予防が期待されます。
しかし、2024年の国民健康・栄養調査によると、日本人の野菜摂取量平均は258.7gと国が掲げる目標の350gに届いていません。多種多様な野菜が収穫できる栃木県でも目標には達していません。

毎日の食事で意識的に野菜を取り入れ、健康的な習慣を身につけることが大切です。
では、どうすれば毎日の食事の中で野菜を取り入れることができるでしょうか。
参考になるのが、栃木県公式ホームページ(HP)内の「とちぎの農産物等を使ったレシピ集」です。
とちぎ食育応援団が協力した「とちぎの恵みを満喫レシピ」は、県産米とイチゴを使用したレシピ集。地産地消を推進する関係者が生産者から教えてもらった料理を掲載した「かんたんおいしいレシピ集」は調理のポイントが丁寧に書かれています。
他にもJA全農とちぎのHPには「栃木県産品を使ったおすすめレシピ」のコーナーがあります。
ほとんどの料理は、キッチンにある身近な調味料を使っています。「あと一皿の野菜料理」で、料理のレパートリーを増やすと同時に野菜を意識した食事に取り組みましょう。

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