食べることは生きること
「食育」取材の総仕上げは、学校給食です。学校給食、大好きでした。給食で初めて食べた料理もたくさんあります。今の学校給食の実態を、宇都宮市立戸祭小学校の学校栄養士、大金愛也さんと6年1組の児童に取材しました。
今日は中学卒業以来、久しぶりの学校給食を楽しみに来ました。学校給食における栄養士の役割を教えてください。
学校栄養士としては、全校約530食分の献立作成や、安全に提供できるよう給食室(調理室)の管理、子どもたちへの食育指導などを行っています。宇都宮市では、一部の地区を除き、各小中学校で調理を行っており、温かくておいしい、出来たての給食を提供しています。そのため、学校ごとに季節に合った食材を選び、行事食や郷土料理を取り入れることができます。
国や県の計画では「持続可能な食」といった難しい言葉もあります。現場ではどのように給食に反映させていますか。
食品ロスの削減、食べ残しの減少、地産地消、そして食べ物への感謝の気持ちを育てることを重視しています。まずは「おいしく食べてらうこと」が第一です。おいしいと思えれば残さず食べられますし、苦手なものもちょっと食べてみようかな」という気持ちになります。食べた後に「これはどんな野菜で、どんな味付けなんだろう」という気づきにつながるよう、「おいしさ」を何より大切にしています。
好きなものばかり出すわけにもいかないですし、大変そうですね。
そうなんです。栄養価や予算の基準を満たしつつ、どうすれば食べやすくなるか日々探っています。
子どもたちに一番人気のメニューは何ですか。
やっぱり揚げパンや鶏の唐揚げですね。最近よく聞くのは「モロ(サメの肉)の唐揚げ」です。
モロを唐揚げにするんですか。
はい。栃木県の定番食材ですが、下味をつけて揚げると子どもたちも喜んで食べます。
おいしそうですね。逆に子どもたちが苦手なおかずは何ですか。
やはり野菜です。その分、工夫のしがいがありますね。「給食の味なら食べられる」という声を聞くこともありますが、これは本当にうれしいことです。
園芸大国とちぎですが、地元の農家との連携はいかがですか。
地産地消は常に意識しています。八百屋さんには宇都宮産のものを優先的に納品してもらうようお願いしていますし、直接契約している生産者もいます。生産者から調理のアドバイスを直接いただくこともあり、貴重なつながりだと感じています。
農産物の収穫量は天候に大きく左右されるため、予定していた食材が手に入らないこともありますが、それもまた自然の恵みや食への感謝を学ぶ機会として捉えています。
家庭で手軽に野菜を食べる方法を教えてください。
「汁物」がおすすめです。給食でも具だくさんのみそ汁やスープを出しますが、特に「ミネストローネ」は子どもたちに人気です。冷蔵庫にある余った野菜を刻んでサッと作れますし、煮込むことでかさが減ってたくさん食べられます。豆腐や肉を入れればタンパク質、キノコやわかめなら食物繊維をプラスできます。
鍋いいですよね。煮ると結構食べられてしまいます。
最後に、子どもたちや保護者の方へメッセージをお願いします。
「食べることは生きること」です。成長期の子どもたちはもちろん、日々忙しく子どもたちを支えている保護者の皆さんも、ご自身の食事を大切にしていただきたいです。子どもはおなかが空いていると不機嫌になりますが、食べている時はニコニコして楽しそうに話をしてくれます。一緒に食べて笑い合える時間は幸せなものです。ぜひ家族で食卓を囲んで、食事の時間を楽しんでください。
宇都宮市戸祭小6年1組で体験ルポ
地産地消の献立に感激 おいしくなった給食堪能
益子さんと福田さんは、6年1組の教室を訪れ、児童32人と一緒に給食を食べながら食育に関する取材を行いました。
この日の献立は「春トマトを使ったトマトハヤシライス」「ニラ入りこんにゃくサラダ」「イチゴのカップケーキ」、および牛乳です。宇都宮市産のトマト、コメ、ニラ、イチゴが使用されています。
益子さんはハヤシライスを口にすると「おいしい。今日の献立は野菜がいっぱいだね」と話し、福田さんも「具だくさんでトマトの味が利いている」と絶賛していました。カップケーキは、生のイチゴをつぶして給食室で焼き上げた手作りで、2人は「イチゴの香りがする優しい味」と、自分たちが子どもの頃に比べて地産地消が進み、よりおいしくなった学校給食に感動した様子でした。
続いて、児童へのインタビューを行いました。「給食で好きなメニューは何ですか」と尋ねると、児童たちからは「カレー」「ココア揚げパン」「マーボー豆腐」などの答えが返ってきました。
さらに「宇都宮や栃木県で採れる野菜は何ですか」と聞くと、児童たちは元気よく「ニラ」「イチゴ」「かんぴょう」などと答えました。
益子さんが「食育という言葉を知っていますか。食育で学んだことを教えて」と問いかけると、「五大栄養素を勉強した」「栄養バランスを考えて食べています」「三角食べ(おかず、ご飯、汁物を順番に規則正しく食べる方法)をしようとしていますが、忘れることも多い」など、学んだ知識を披露しました。
益子さんと福田さんは、児童たちが食べ物に関心を持ちながらおいしそうに給食を食べる姿に目を細め、自らも給食を堪能していました。
学校給食から国の施策まで、幅広く取材しました。自分たちが子どもの頃よりも、給食の献立がバラエティーに富んでいてうらやましくなりました。食の大切さを学んだ子どもたちは、食に関する知識が豊富で活力ある大人になることでしょう。将来が楽しみです。(U字工事)

ポストする















