ハローワーク宇都宮とさくら・ら心療内科(宇都宮市陽東6丁目、加藤和子(かとうかずこ)院長)が連携し、精神障害者の就労促進を目指す厚生労働省のモデル事業に取り組んでいる。特徴は、ハローワーク職員が同心療内科へ出向いて職業相談に乗る点。病気のためハローワーク来所に負担感が強い当事者に相談しやすい環境が提供される上、医療機関とハローワークの情報共有が進み、就労のスピードアップも期待されている。

 精神疾患への社会の理解が進み、県内のハローワークを通じた精神障害者の就労は過去最高となっている。そんな中、同事業は医療機関とハローワークの連携体制を築き、一層の就労促進を狙う。本年度は本県と北海道、千葉県、京都府の4カ所で先行して行われている。

 ハローワーク宇都宮とさくら・ら心療内科は8月、連携の協定を締結。年度内に10人を支援し、4人の就労を目指す。職場定着も支援する。

 出張相談では、精神保健福祉士など専門知識を持つ職員2人が月2回、働き方や求人に関する相談に乗っている。

 10月下旬の出張相談は3人が利用。それぞれ過去に異動で業務内容が大きく変わると負担だったこと、長く仕事を離れている現状に対する焦りなどを訴えた。相談後、39歳の男性は「(職員に)病気への理解があり、気持ちを分かってもらえるのがいい」と穏やかな表情で語った。

 加藤院長は「ハローワークは人が多く、不安や緊張で来所のハードルは高いと思う。通っている病院なら、安心して話しやすいということはあるでしょう」と受け止める。当事者の病状や本音について、同心療内科の担当者とハローワーク職員が相談の場で即座に情報交換できるため、「就労へ向けた話が進みやすい」(加藤院長)状況も生まれているという。