あしぎん総合研究所が30日までにまとめた調査結果によると、県内企業の2割近くで新入社員が入社半年のうちに退職していることが分かった。中には半数近くが退職してしまった企業もあるという。同総研の担当者は「キャリア観が変化しており、早期のキャリアアップのため見切るのが早いようだ」と話している。
 
 同総研が入社半年後の社員に関する調査を行ったのは初めて。8~10月、県内企業対象に行った採用関連のアンケートによると、新入社員の退職は回答企業(71社)の17・4%に上った。

 10月に実施した新入社員対象の意識調査(回答数219人)と合わせて退職理由を分析したところ、企業と新入社員の認識には大きなずれがあることがうかがえた。

 企業側が思う新入社員の退職理由は「思っていた仕事と違った」が63・2%で1位。だが、新入社員では今後退職したい理由として同回答を選択したのは10・8%どまり。新入社員側の1位は「自己成長のため」(30・6%)だったが、同回答を選択した企業はなかった。

 このほかの上位回答を見ると、企業側では「会社の雰囲気と合わない」「上司や先輩とのコミュニケーション不足」が挙がったのに対し、新入社員側では「残業が多い」「休みが取れない・欲しい」「賃金への不満」と処遇に対する項目が並んだ。

 調査結果を受けて「非常にショックだ」「結果に目を背けてはいけない」と話す企業幹部もいたという。

 同総研が今春実施した調査と比べると、転職を考えている新入社員は24・4ポイント増の54・3%、「定年まで働きたい」は23・2ポイント減の28・6%と、入社半年で意識が大きく変わっていることも分かった。

 同総研は「新入社員は自己の成長と将来の働き方を見据えて転職を考えていることが分かる。離職防止には、企業が処遇改善も検討する必要がありそうだ」とみている。