「地域金融の原点回帰」 足利銀行頭取 池田憲人氏

足利銀行の池田憲人頭取は十六日、字都宮市内のホテルで開かれたしもつけ21フォーラム(下野新聞社など主催)で講演し、「地域金融の原点回帰」と題して一時国有化に至った経緯や二年間の業績、今後の経営方針などを話した。本年度の収益基盤再構築の重点テーマとしては、顧客ニーズに基づいた「真水」融資による取引先数と融資額の拡大を掲げた。また来年三月末の不良債権残高は、計画の二千億円を上回る一千億円台を目指すことをあらためて表明した。

今回のフォーラムは県北政経懇話会との特別合同例会で、県内企業の経営者ら約百八十人が出席した。
一時国有化に至った経緯については、同行が国有化直後に設置した過去問題調査ワーキングチームの調査報告をベースに説明した。
調査報告が指摘した破たんの直接的な原因は、多額の不良債権の発生と不良債権処理の遅れ。その上で池田頭取は「量的拡大を求めたバブル期の経営施策の失敗と、不良債権処理にちゅうちょし、先延ばしを続けたバブル崩壊後の経営施策の失敗という、経営の二重遭難が破たんの本質」と付け加えた。
一方、間接的な原因としては、聖域や伏魔殿が形作られる行内風土を問題視した。変革や改革を拒む意識が一人一人に内在していたとし、「遠因は個々人の根底に潜んでいる行員の意識そのもの」と結論づけた。
こうした過去の経緯などもあり、池田頭取は就任当初に「原点回帰」を掲げた。
それを支える二本柱が「バランスシートの改善」と「内面の改革」だとして、その基本思想の下で二年半の間改革に取り組んできたことを強調した。
今後の取り組みについて池田頭取は「本年度仕上げとして、収益額や残高の計数を前年比プラスに転換する」と説明。ポイントにリテールセンターを軸とした小口金融の積み上げ、適正なリスクテイクによる貸し出し基盤の底上げと中長期資金ニーズへの対応、取引先数の増加をボリューム拡大につなげることなどを上げた。