「三菱自動車の挑戦」 三菱自動車社長 益子修氏

下野新聞社など主催の第三十六回しもつけ21フォーラムが二十二日、宇都宮市内のホテルで開かれ、三菱自動車の益子修社長が「三菱自動車の挑戦」と題して講演した。リコール(無料の回収・修理)隠し問題で経営不振に陥った同社の再建のかじ取りを担ってから約一年。益子社長は従業員との会話を紹介しながら「従業員とその家族を大切にしない企業は存在する意義がない」などと語った。

益子社長は三菱商事出身。二〇〇五年一月、社長に抜てきされた後は「過去との決別」を宣言し、リコール隠しの経営責任を問い、元会長らに対する損害賠償請求訴訟を起こした。

「リコールに関する認識が世の中の常識と懸け離れていた。その結果、社会的責任を果たせず、世間から厳しく拒絶された」と指摘した。

再建計画では「従業員との対話」に力を入れたという。対話集会では、リコール隠し問題が原因で子どもが学校に行かなくなった従業員がいることを知った。「経営判断ミスが、末端の従業員に重い負担を強いてしまった…」と言葉を詰まらせた。

企業風土改革や組織改革も図り、再生には「手応えを感じている」。その理由として、新車の売り上げが伸びていることや、従業員一人一人の意識の変化などを挙げた。

今後については「これまで、経営側が良い人材を生かしてやれなかった。物づくりの原点を忘れず、経営判断を誤らなければ、世界にも立ち向かっていけるだろう」と述べた。