「医薬品産業の現状と将来展望」 アステラス製薬代表取締役共同会長 青木初夫氏

下野新聞社など主催の第四十三回しもつけ21フォーラムが五日、宇都宮市内のホテルで開かれ、アステラス製薬の青木初夫代表取締役共同会長が「医薬品産業の現状と将来展望」と題して講演した。世界で継続的に新薬を創出できるのは七カ国程度に限られている現状を踏まえ、「日本は新薬創出国の一つとして世界の医療に貢献し続けていかなければいけない」と述べた。

青木会長はまず、第二次世界大戦後に急速に開発が進んだ医療用医薬品は現在、約二千八百成分にまで増え、平均寿命の延長や生活の質(QOL)の向上に貢献してきた歴史について説明。最近では米国や欧州で大手製薬メーカーの統合が進み、その一方で世界で高い売り上げを誇ってきた日本は医療費抑制で成長が鈍化、世界市場に占めるウエイトは低下しているという。

新薬創出の競争力を国際比較すると、米国が断然トップを走り、これを日本や英国、フランス、ドイツなどが追う状況となっている。世界的にも疾病によっては医薬品の有効性が低いなどの未解決な医療ニーズの問題があり、「私たち新薬メーカーは、そうした有効性や患者の医療満足度の低い疾病に対応できる新薬開発に取り組むべき」と強調した。

世界市場で日本の製薬メーカーがさらなる飛躍を果たすために「新薬創出を加速するには社会的インフラ整備が必要で、産官学の連携は欠かせない」と話した。