下野奨学会は、日本の将来を担う高校生を応援しています。

公益財団法人下野奨学会
第60回下野奨学生の卒業作文集「さくら」から

 公益財団法人下野奨学会は栃木県の優秀な人材育成に貢献するため、経済的に特に厳しい環境にある県内高校生に毎月、奨学金を給付し、修学を支援しています。

 2020年3月、県内高校を卒業した第60回下野奨学生17人の作文集「さくら」から、4人の作文を紹介します。

 奨学生のプライバシーに配慮するため、氏名や卒業高校名を匿名にし、文章の一部も変えています。

VOL.1 「充実の高校三年間」

県南地区県立高校卒業生(女子)

 三月二日、全国的に広まる式典等の自粛ムードの中、簡略化はされたものの卒業式を迎えることができました。

 高校三年間を振り返ってみると、大半が部活動で彩られていました。中学でやっていたバレーボールをただなんとなく高校で続けてみました。この選択は大正解でした。

 入学式の放課後から練習に参加し、入部一、二週間ほどで地区大会に臨み、惨敗。刺激的なスタートをきった高校生活。その後も途切れることなく、この二年二カ月間の部活は私に色々なものを与えてくれました。のびのびとやるバレーの楽しさや目標、出会い、苦しみ、そして弱いながらも公式戦で勝てたときの喜び。チームメイトとのモチベーションの違いから自らを孤立させるような行動をとる自分に苛立ち、「もう部活辞める」と言って練習試合から逃げ出したこともありました。

 これらを経験したからこそ、私は辛い受験を乗り越えることができたのだと思います。特に前期入試が全て不合格となってからは苦しい毎日でした。部活での経験がなければ後期入試に向けて前を向くことは難しかったでしょう。

 三年間たくさん笑って、たくさん泣きました。悩んだことも含め、高校生活を通して様々な経験ができたことを嬉しく思います。

 四月からは憧れの大学での生活が始まります。今まで以上に辛いことがあるかもしれませんが、周囲の人の力も借りながら乗り越え、自分の成長につなげていけたらと思います。

 こうして部活動に打ち込み、進路選択ができたのも家族の支え、そして下野奨学会の皆様のご支援のおかげです。本当にありがとうございました。

VOL.2 「高校生活と抱負」

県北地区県立高校卒業生(女子)

 少し大きくて慣れない制服を着て、ピカピカのローファーを履いて、ドキドキしながら入学式に行ったのが昨日のことのようです。高校生活を振り返ると、三年間はすごくあっという間でした。もっとこうしていればよかった、あのときこうしていればよかったという後悔がたくさん残っています。在校生のみなさんには、後悔が残らないように残りの高校生活を送ってほしいと思います。

 私は四月から就職し、銀行員として仕事をします。あと一カ月ほどで社会人になるという実感が全然ありません。二月に、就職先の研修会がありました。そこでたくさんの課題と資格試験の話があり、いよいよ銀行員として働くんだと思い始めました。就職後の抱負を二つ書こうと思います。

 一つ目は、資格の取得です。就職前の三月にも資格試験があるのですが、就職した後もたくさんの資格をとることがあるそうなので努力していきたいです。

 二つ目は、笑顔を忘れないことです。これは今までも気をつけていたことですが、これからも気をつけていきたいです。笑顔は自分だけでなく、周りの人も明るく元気にさせる力があると思います。私は、これから窓口などでたくさんのお客さんと接することになるので笑顔で正確な仕事をしていきたいと思います。

 以上二つの抱負と高校生活で学んだたくさんのことを活かし、社会人としてがんばっていきたいと思います。下野奨学会のみなさんには、三年間とてもお世話になりました。ありがとうございました。

VOL.3 「あっという間の三年間」

県央地区県立高校卒業生(男子)

 三月二日、私は三年間勉学に励んだ高校を無事卒業することが出来ました。振り返ってみると、とても充実した三年間であり、一日一日、過ぎていく時間がいままでの比でないほど早いものでした。

 三年前、私は小中学校とは違って男子しかいない環境への期待と、授業についていけるかという不安を抱きながら校門をくぐりました。一年生の時は陸上部として活動すると同時に志望する学部を決め、部活と勉学の両立を心がけ日々を過ごしました。二年生なってから志望する学部に進学するために夏の大会を最後に部活を引退して勉学一本に集中しよう決心して一日の大半を机に向き合って過ごしました。三年生になってからはクラスの雰囲気も受験モードに切り変わり、より一層机に向き合う時間が多くなりました。今考えると、小中学校とは違い高校では、「自分は○○大学に入って将来△△になりたい」という明確な目標を達成するため、自ら進んで勉強に励んだことが三年間あっという間だった一番の理由だと思いました。

 そんなあっという間の三年間の中で、たくさんの経験を積み、あらゆることを学ぶことが出来ました。このことは大学進学後にも大いに役立つことばかりであり、私の財産となりました。

 たくさんの人達の支えなしに無事高校生活を終えることはできませんでした。まず母に弁当作りをはじめ、三年間毎日毎日お世話になりました。感謝しきれないほど感謝しています。本当にありがとう。また、下野奨学会様の支援があったおかげで自分の目標とする大学・学部に向けて全力で取り組むことができました。結果的には第一志望は達成出来ませんでしたが、国立大学薬学部に進学することができました。三年間本当にありがとうございました。

 私には今二つの目標があります。一つ目は、六年間薬学部で勉学に励み、薬剤師の資格を得て、大学病院に勤務することです。

 二つ目は、自分が下野奨学会様から支援していただいたように、金銭的な事情で自分の目標とするものをあきらめてしまう人達を支援して助けてあげられるような活動に貢献することです。

 この二つの目標を掲げ、これからの人生を日々精進していきたいと思います。三年間本当にお世話になりました。

VOL.4 「恩返し」

県北地区県立高校卒業生(女子)

 世間を騒がす新型肺炎の影響により、卒業生、先生、保護者のみで国歌と校歌を歌わないという前例のない卒業式を終え、高校三年間に幕を下ろしました。三年間を振り返ってみると、辛かったことも楽しかったことも思い出し、とても充実した日々を送れたのではないかと思います。

 家が飲食店を営んでいるというのもあり、幼いころから料理に関心があったので高校は食に関する学科に入学しました。最初は慣れなかった包丁も今では多くの品の料理を一人で作ることができるようになりました。また、料理を作る楽しさだけでなく、作った料理を食べた人に「おいしい」と言ってもらえる嬉しさも学ぶことができました。

 部活動では、中学校から打ち込んでいたバスケットボール部に入部しました。質もレベルも中学とは格段に変わり、勉強と両立するのは大変でしたが、どちらも夢中に取り組むことができました。目標に向かってチーム一丸となって辛い練習も共に支えあいながら乗り越えた仲間がいて本当に良かったです。部活動での経験をこれからの生活にいかしていきたいです。

 そして、春からは自分の調理技術を向上させるために調理の専門学校に通います。今の自分には足りないものを見つけ出し、少しでも成長できるよう頑張りたいです。

 最後に、多くの支援をしてくださった下野奨学会の皆様をはじめ、家族や先生、友人への感謝を忘れず過ごしていきたいです。私もこれからはたくさんの人の役に立てるようにし、恩を返していきたいです。本当にありがとうございました。