英国政府は国全体だけでなく、選挙区や地方自治体ごとの子どもの貧困率を発表している。
子どもの貧困撲滅に取り組む連合団体「エンド・チャイルド・ポバティ」によると、地方自治体別で21年度、子どもの貧困率(世帯所得の中央値の60%未満)が最も高かったのはロンドンのタワーハムレッツ区で47・5%。次いでイングランド中部のウエスト・ミッドランズに属するバーミンガムが46・4%、イングランド北西部のマンチェスターが44・7%となった。

これらの数値は色分けして地図として公表され、各地の貧困率が「見える化」されているのが特徴。これにより、貧困率の高い地域における対策の具体化につながるという見方もある。

英国の慈善家で社会学者チャールズ・ブース(1840~1916年)が1889年、上流階級は黄色、貧しい家庭は水色、最下層は黒色と、貧困と富のレベルを通りごとに示した「ロンドン貧困地図」を発表するなど、英国では古くから貧困の可視化をしている歴史がある。