芳賀町の独自調査では

 下野新聞社が県内25市町に実施したアンケートでは、食事や学習などの支援を行う「子どもの居場所」を設置した12市町全てが、子どもの育ちに「効果がある」と回答した。2022年5月に居場所が開設された芳賀町は昨年9月、利用する子どもや保護者などを対象としたアンケートを町独自に実施。回答からは、居場所が子どもの自己肯定感や意欲の向上、保護者の子育て不安の軽減につながっている様子が浮かび上がった。

 同町内の居場所は、未就学児から中学生までの約20人が利用。主に放課後訪れ、遊んだり食事をしたりして過ごしている。

 同町子育て支援課によると、アンケートは居場所を利用する子どもとその保護者、子どもが通う学校や保育園、居場所スタッフにそれぞれ回答を求めた。

 児童生徒を対象としたアンケートには14人が回答した。利用する前と後での変化について確認する項目では、「頑張れば結果につながると思う」との問いに対し、「そう思うようになった」「少し思うようになった」と答えたのが13人に上った。残る1人は「変わらない」だった。

 子どもが居場所に対して感じていることを問う設問でも、おおむね肯定的な回答が得られたという。同課は「子どもたちが居場所で安心して過ごしながら、ほめられたり励まされたりした経験が増えたことが一因」と分析する。

 保護者対象のアンケートには18人が回答。居場所に対して感じる気持ちを選択する設問では「不安が軽減され安心する」を18人全員が選んだ。同課は「仕事で帰りが遅くなってしまうひとり親などは、子どもを夜まで見守ってくれること、距離の近いスタッフに子育ての困りごとを相談できることなどが安心感につながっているのでは」とみる。

 一方、居場所を利用する3人の未就学児が通う保育園などを対象としたアンケートでは、園児が活動に取り組む姿勢については「悪くなった」「変わらない」が占めた。

 同課の担当者は「幼児に対する支援の効果についての評価は難しい」とした上で、「今後も定期的にアンケートを実施したい」とした。

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