本県の最低賃金(最賃)は10月から、前年度比26円(3・25%)引き上げられ、1時間当たり826円となる。現在の時給で示す方式になった2002年度以降で上げ幅は最大となり、金額は最も高い。人件費が増える一因になることから、企業側には懸念する意見も出ている。栃木労働局は中小企業に、助成金といった支援策の活用を呼び掛けている。

本県最賃の改正に関し、調査、検討に当たった栃木地方最低賃金審議会。先月6日の会議で、労働者、使用者双方の代表委員の意見は折り合わなかった。このため公益代表委員が示した26円増で決着した。

 労働者側は一定の評価をしたが、使用者側の石塚洋史(いしつかひろふみ)県経営者協会専務理事は「中小企業の経営を圧迫しかねない」と危機感をあらわにした。

 政府が骨太方針で「年率3%程度」を掲げる中、本県最賃の上昇率は3年連続で3%超となった。13~15年度の上昇率は1・84~2・46%だったことからも、16~18年度の上がり方は大きかった。 

 引き上げ企業側への支援策の一つに、中小企業や小規模事業者向けの「業務改善助成金」がある。生産性向上のため設備投資を図って最賃を引き上げると、助成金の支給が受けられる制度。店舗や工場などの「事業場」内最賃が1千円未満の事業者が対象となる。

 栃木労働局の助成実績は昨年度が12件。エステなど美容業が中心で、10人前後の小規模事業者が多かったという。

 栃木労働局雇用環境・均等室の担当者は「9月中に申請し受理されれば、下限となる本県最低賃金は現在の800円。10月からは下限が826円になるため、ぜひ月内に申請を」と呼び掛けている。

 一方、AからDまである4ランクのうち、本県など「Bランク」地域で、最賃改正後に改正最賃額を下回る労働者の割合は、16年度が8・6%、17年度は9・8%。以前は5%前後で推移していた。近年は、引き上げにより、好影響を受ける労働者が拡大している。