栃木労働局は29日、来年3月に卒業見込みの県内高校生の7月末時点での求人・求職状況を発表した。求人倍率は前年同期を0・4ポイント上回る2・71倍で、統計比較が可能な1998年以降、2年連続で過去最高を更新した。人手不足が加速し、大卒だけでなく高卒採用も実施する企業が増えている一方、高校生の求職が減少していることが要因。

 求人数は前年同期比12・7%増の7994人で、3年連続増加した。これに対し、求職者数は3・8%減の2950人で過去最少だった。少子化に伴う生徒数の減少や、大学などへの進学希望者が増えていることが影響したとみられる。

 求人数を産業別に見ると、全ての産業で増加した。伸び率が最も大きかったのは運輸業・郵便業で46・2%のプラス。従業員の高齢化が進み、若い人材を確保したい企業が多いという。次いで宿泊業・飲食サービス業が27・5%増、卸売業・小売業が17・0%増と続いた。

 事業所の規模別では、従業員数が千人以上が32・2%増と最も伸びた。300~499人が23・4%増、29人以下は19・6%増。唯一、500~999人が5・0%のマイナスだった。

 同局の奥村英輝(おくむらひでき)局長は「安定した経営や技能継承のため、組織の人員構成を見直し、若者を採用したい企業は多い。高校生の売り手市場が続いている」と話した。